AI COLUMN

ザッカーバーグが語った「AIが広告代理店を飲み込む日」

2026.04.21

AI COLUMN

自分はWebブランディングの会社を経営している立場で、日々クリエイティブの現場に立っています。

だからこそ、最近のAIと広告を巡る動きには、他人事ではない緊張感を持って見ています。

先日、MetaのCEO Mark Zuckerbergが語った内容がSNSで話題になっていました。要約すると、「企業は目的と予算だけ持ってくればいい。広告の生成から配信、最適化まで、すべてAIがやる」という世界をMetaは本気で作ろうとしている、という話です。

「作る」仕事が消えるのではなく、「作る場所」が変わる

広告業界では長い間、こういう分業が成立していました。企業がターゲットと予算を決め、広告代理店がクリエイティブを作り、メディアが枠を売る。電通や博報堂が強かったのは、この「作る」部分を握っていたからです。

Zuckerbergが語っていたのは、この「作る」工程がプラットフォーム側に吸収されていく未来です。AIがクリエイティブを数百パターン自動生成し、配信しながらリアルタイムに効果を測定し、最も刺さる表現に収束させていく。人間が事前に考え抜いて「これだ」と決めるのではなく、AIが走りながら最適解を見つける。

これは「クリエイティブが不要になる」という話ではありません。作る行為そのものがなくなるのではなく、誰が・いつ・どこで作るかが根本的に変わるという話です。

AIを「作る側」ではなく「使う側」として勝つという選択

AI業界の主役はOpenAI、Anthropic、Googleの三社です。モデルの性能競争では、Metaは正直なところ後塵を拝している。しかしMetaの株価は過去最高水準にあり、広告収益も伸び続けています。

なぜか。MetaはAIを「売る」のではなく、自社の広告ビジネスに「使う」ことで圧倒的な成果を出しているからです。AIモデルの開発競争では勝てなくても、AIの活用で利益を最大化する戦い方を選んだ。この判断は、中小企業の経営者にとって非常に示唆的です。

最先端のAIを自前で開発する必要はない。重要なのは、既にあるAIをどう自社のビジネスに組み込むか。Metaは何十億ドルという規模でそれを証明していますが、本質は従業員5人の会社でも同じです。

広告代理店の「上流」だけが残る時代

SNSがテレビや新聞から広告費を奪ったのは、もう過去の話です。次のフェーズでは、広告代理店が担ってきたクリエイティブ制作やターゲティング設計まで、プラットフォームのAIが飲み込もうとしている。

ただし、すべてがAIに置き換わるわけではないと自分は考えています。残るのは「上流」の仕事です。そのブランドが何を伝えたいのか。どんな世界観を持っているのか。経営者の想いをどう言語化するのか。AIはパターンの最適化は得意ですが、ブランドの核心を定義することはまだできません。

逆に言えば、「なんとなく広告を回す」だけの仕事は、近い将来AIに完全に代替されます。自分たちのようなブランディング会社に求められるのは、AIが最適化するための「原点」を作る仕事になっていく。戦略設計、ブランドの言語化、世界観の構築。ここに価値が集中していきます。

自分たちはどう動くか

FIRST MADEは今、AIエージェントサービス「FIRST INTELLIGENCE」を提供しています。これはまさに、Metaと同じ考え方で始めたサービスです。AIそのものを作るのではなく、AIを使いこなす仕組みを、クライアントの業務に直接届ける。

広告の世界でAIが配信とクリエイティブを飲み込んでいくように、業務全体でも同じ構造変化が起きています。書類作成、データ分析、顧客対応、情報整理。これまで人が時間をかけてやっていた作業を、AIエージェントがリアルタイムに処理する。

Zuckerbergの話を聞いて改めて確信したのは、AIを「作る側」になる必要はないということです。使う側として、クライアントと一緒に成果を出す。自分たちの立ち位置はそこにあります。

参考

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