前回のコラムで、「AIは間違いと知りつつ同意することがある」という最新研究をご紹介しました。今回は、その知識を業務でどう活かすか、5つのチェックリストの形で整理します。
チェック1:「素晴らしい」「いいアイデアです」が出たら警戒
AIが過剰に肯定的な単語で返してきた場合、それは「お世辞」の可能性が高いサインです。経営判断に使う場合は、必ず「では、これが失敗する可能性を3つ挙げて」と聞き直すクセを。

チェック2:賛否両論を必ず聞く
提案や戦略案について意見を求めるときは、「賛成と反対、両方の立場で意見をください」と必ず添える。AIは聞かれない限り、反対意見を自発的には出しません。

チェック3:「異論を出すレビュアー」役を指定
「あなたはこの提案に反対の立場のコンサルタントです。問題点を5つ指摘してください」と役割を与える。同じAIでも、立場を変えると返答の質が大きく変わります。

チェック4:自分の希望は最後に伝える
「この案、いいと思うんですが、どう思います?」ではなく、「この案について評価してください」とだけ送る。前置きで自分の希望や結論を見せると、AIはそれに合わせに行きます。

チェック5:判断材料は数字で求める
「これでいいと思いますか?」ではなく、「採点(10点満点)と、各評価軸ごとの点数を出してください」と聞く。数値化されると、AIは仕事に切り替わります。

中小企業の現場で、こんな失敗と改善が起きています
例1:地方の小売店

「新店舗の立地、ここで大丈夫?」とAIに聞いて「いい場所です」と返ってきた。あとで、競合店舗3軒、車のアクセス、駐車場の数、ターゲット層との距離、を1つずつ詳細に検証してもらったら、3つの懸念点が出てきた。事前のチェックリスト運用に変えました。
例2:個人経営のECショップ
新商品の価格戦略をAIに「これでいけると思う?」と相談すると、毎回「いい戦略です」。「同じ商品を、もし競合が3割安く出してきたら、勝てる根拠はありますか?」と聞き直すと、すぐに弱点が見えるように。聞き方が変われば、AIの答えも変わる、を体感した。
例3:地域の士業事務所
クライアントへの提案書を「これでOK?」と聞くのを止め、「弱点を率直に3つ」「反対の立場で批判して」「採点(10点満点)と理由」と3段階で聞く運用に。提案書の質が安定して上がりました。
AIを「優秀な部下」として育てる
AIは便利ですが、人間と同じく「気を遣う」性質があります。聞き手として、本音を引き出す質問ができるかどうかが、AIを業務でフル活用できるかの境目です。

5つのチェックリストを、社内で共有してみてください。AIへの問いかけが少し変わるだけで、得られる判断材料の質は大きく変わります。
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FIRST INTELLIGENCE では、AIの「お世辞」を見抜く力をそのまま業務に活かすために、御社の現場に入り込んで専用のAIエージェントを設計・構築します。本記事でご紹介した「過剰に肯定的な返答をしたときは聞き直す」というチェックリストは、実は運用の工夫次第で格段に精度が上がります。
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