滋賀県長浜市のWebブランディング会社が、AIエージェントサービス「FIRST INTELLIGENCE」を立ち上げます。2026年春の正式ローンチに向けて、設立の背景と事業としての狙いを整理しておきます。
なぜ今、AIエージェント事業なのか
FIRST MADEはこれまで約10年間、Webサイト制作・グラフィックデザイン・ブログ運用・リスティング広告・Google Street Viewなど、中小企業向けのブランディング支援を軸に事業を展開してきました。その中で私自身が一貫して感じてきたのは、地方の中小企業が抱える「人が足りない」「時間が足りない」「採用もままならない」という根源的な課題です。広告を出すことでもデザインを刷新することでも、最終的に解決しきれない領域が確実に存在してきました。
2024年以降、ClaudeやGPTといった大規模言語モデルの精度が実務レベルに到達し、2025年には「AIエージェント」と呼ばれる、業務を自律的に進めるAIの時代に入りました。ここに来て、中小企業の慢性的な人手不足に対して、初めて現実的な打ち手が用意されたという感触を持っています。
CEOが2年間AIエージェントを実運用してきた経験
FIRST INTELLIGENCE構想の出発点は、机上のアイデアではなく、CEOである私自身が2年以上にわたって日常業務にAIを組み込んできた実体験です。営業リサーチ・提案書作成・ブログ執筆・画像生成・財務資料のドラフト・補助金申請書のたたき台など、経営者が一人で回している業務の大半を、AIエージェントと協働する形で運用してきました。
この2年間で見えてきたのは、「AIを入れれば業務が回る」わけではないという事実です。成果を出している企業と出ていない企業の差は、ツールの有無ではなく、AIにどう指示を出し、どこまで任せ、どこから人間が介入するかという「運用設計」にありました。ここに実務ノウハウの積み上げがあるかどうかで、AI導入の成否は大きく分かれます。
地方中小企業と世界水準AIの距離
サンフランシスコのAIスタートアップと、滋賀県長浜市の中小企業は、技術的には思ったほど遠くありません。Anthropic APIやOpenAI APIを契約すれば、地方の工務店も、都市部の大企業とまったく同じAIモデルを利用できます。APIの先にある技術格差は、2026年時点でほぼ消滅しつつあります。
ただし、ここに大きな落とし穴があります。APIを契約しても、それを業務フローに組み込み、運用ルールを整え、クライアントや社内に定着させるプロセスを誰かが担わない限り、AIは「使われないツール」で終わります。この部分こそが、FIRST MADEがWebブランディング会社として積み上げてきた「企業ごとに異なる課題を整理し、運用に落とし込む」という強みと重なる領域でした。
FIRST INTELLIGENCEの3つの設計思想
AIエージェントサービスを設計するうえで、FIRST INTELLIGENCEが最初から決めていた原則が3つあります。他社サービスとの差別化ポイントでもあり、中小企業クライアントに安心して長く使ってもらうための土台でもあります。
- 人間主導・AI協働を徹底する ─ AIに会社を運営させる発想は採らない。意思決定は経営者が行い、AIは実行と下ごしらえを担う
- 業種を限定しない汎用設計 ─ 建設・士業・製造・飲食・小売・医療・不動産のどこでも同じ基盤で導入できる
- クライアントのAPIアカウントで透明運用 ─ API費用はクライアント自身のAnthropicアカウントで直接課金し、FIRST MADEはプラットフォーム利用料のみ受け取る
「AIに任せる」ではなく「AIを使いこなす」
世の中には「AI任せで業務が回る」「完全自動で人が要らない」といった訴求を行うサービスも出始めています。FIRST INTELLIGENCEはこの方向性を取りません。中小企業にとって重要なのは、経営者や現場担当者が「AIをどう賢く使うか」をコントロールできる状態であり、人が不在で何かが起きたときに責任の所在が曖昧になるような運用は、むしろリスクになると考えています。
FIRST INTELLIGENCEが目指すのは、「CEOが自らAIエージェントを使いこなす実践企業」というポジションを、中小企業にも同じ構造で移植することです。AIが主語ではなく、常に人が主語である状態を守りつつ、単純作業や調査業務を一気に圧縮する。これが私たちの考える中小企業のAI導入の現実解です。
9月決算までの事業ロードマップ
FIRST MADEの決算は9月です。2026年9月期までの約半年間は、FIRST INTELLIGENCEを新規事業の主軸として立ち上げるフェーズと位置付けています。具体的にはプラン設計・フロントページ公開・補助金ベンダー登録・業種別LP整備・導入事例の構築を段階的に進めます。
- 2026年3〜4月 ─ プラン構成確定、サービス名称統一、フロントページ公開
- 2026年4〜5月 ─ デジタル化・AI導入補助金のベンダー登録、初期クライアント獲得
- 2026年5〜7月 ─ 業種別LP7本展開、導入事例の蓄積
- 2026年8〜9月 ─ ロングテールSEO/GEO最適化、月次継続運用体制の完成
FIRST MADEが大切にしてきたこと
創業以来、FIRST MADEが掲げてきた理念は「クリエイティブの力で、お客様が抱く問題を感動へ」というものでした。Webサイト・ロゴ・パンフレット・広告運用といった従来のクリエイティブ領域に、AIエージェントという新しい道具が加わっただけで、根っこの姿勢は変わりません。お客様の課題を整理し、唯一無二のアイデンティティを具現化し、結果につなげる。その道具立てが2026年時点では、AIエージェントという形で提供できるようになったというだけのことです。
滋賀から世界水準のAIを届ける
FIRST INTELLIGENCEは、地方中小企業という「日本のリアルな現場」と、サンフランシスコ発のAIエージェントという「世界の最前線」を、運用ノウハウで繋ぐ役割を担います。技術はAPIの先で平準化され、残るのは「誰がそれを業務に翻訳できるか」という設計力だけ。Webブランディング会社が10年かけて積み上げてきた顧客との距離感と、CEO自ら2年間実運用してきたAIの知見を掛け合わせることで、初めてこの翻訳役が務まると考えています。2026年春、正式ローンチです。
参考ソース
本記事で言及した関連情報の一次ソースです。FIRST INTELLIGENCEの最新情報を追う起点としてご活用ください。

