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カスタマージャーニーを考える。

2017.07.10

アメリカに比べ、日本はマーケティングという観点から見るとまだまだ遅れています。

とくにIOT(Internet of Things)=身の回りのあらゆるものが直接インターネットに繋がり、AIが今後日本のあらゆる市場に浸透していくという事を考えると、いかに他社と差別化できるかが重要な鍵となるのは皆様もご存知の通り。

起業してからご提案させていただいた案件には全て「ブランディングの構築」という部分を強化できるようにマーケティングから消費者の動向などを把握し、有効な戦略を立てるというサービスを行ってきた。

その中でもカスタマージャニーという概念を取り入れ実際に消費者がどのように動いて商品=サービスを購入するのかという考え方を取り入れている。

随分前に読んだ本だったが、やっぱり基本が大切。という意味も込めて紹介したいと思いました。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客の一連のブランド体験を旅に例えた言葉。
顧客が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでの、カスタマー(顧客)ジャーニー(行程)=「行動」、「思考」、「感情」などのプロセスです。

分かりやすく言うと、顧客が商品やサービスを知り、最終的に購入するまでに経る一連の流れのこと。

顧客がブランや商品を認知、購買、再購入する段階で、ブランドが提供する接点を行き来する一連のプロセスを意味する。
カスタマージャーニーを考えることは顧客視点のマーケティングを実践する第一歩となり、より戦略的に企画などを考えることができます。

あらゆる業種にも同じように考えることができるので、ご自身が提供している商品(サービス)に当てはめて考えてもらいたいです。

これまでにない商品

変化の激しい時代は競争のルールも変わっていってしまう。そうした中で長く競争優位なポジションを確立する上では、既存のロールモデルで乗っかるのでなく、新しく戰う土俵を作ってしまうことが有効です。

わかりやすい例をひとつ。

たとえばカルビーの話。

市場全体で成長が鈍化していた「シリアル」市場。

ここに新しく今までにない「グラノーラ」という独自の市場を創出した。

ご存知「フルグラ」がこの例。日本人の主な朝食といえば白米やパン。そこに新しく【フルグラ】という商品を投入したことにより、売上規模を35億から143億にまで伸ばした。

このフルグラはターゲット=女性。明確。
それも、いきなり「ごはんやパンの代わりに食べて!」という強引な売り込みではなく、最初に目を付けたのは「ヨーグルト」

あくまで主食ではなく副食に位置するヨーグルト。これに目をつけてヨーグルトの友達のような立ち位置で売りだした。日常生活の中へ入り込んでいく戦略。

この裏には年間で1400店舗で「フルグラ」を試食してもらうサンプリングを実施している。気が遠くなるような草の根的な活動をしつつ、「グラノーラ」という今までにない市場を形成するため、戦略的なPRを仕掛け成功。

この場合、年間で1400店舗で試食してもらうという「資本」がなければなかなか難しかったかもしれませんが、個人的な見解としては「カルビー」というネームバリューが無くても出来たのではないか思っている。(当然、ビッグカンパニーが所有する生産背景ありきだけど)

つまり、この消費者の動向とそれに対する先読みができているということは非常に強い武器となる。

そこで、すでにホームページをお持ちで尚且つ、次なるサービスの提案を模索されている方に向けてコンテンツを一緒に作るお手伝いができればと考えています。

カスタマージャーニーの作り方

カスタマージャニーマップとは

顧客のブランド体験を時系列で「行動」「感情」「接点」などの観点で見える化したマップ資料。自社の「課題や機会」を発見し、顧客体験の改善を目的とするためのツール。

1.対象ブランドや商品を決定する

ブランドや商品が異なれば描くジャーニーも変わってきます。まずは対象となるブランドや商品を決めましょう。

2.対象顧客となるペルソナを設定する

ペルソナとは「人物像」という意味。
ブランドや商品のターゲットとなる人の年齢や性別、行動の傾向や価値観などできるだけ具体的に定義し、顧客の人物像を明らかにする。

3.顧客行動のメインステージを定義する

時系列でとらえると、多くの場合、顧客行動は「始め」「中」「終わり」などの3つ、4つで分けることができます。
例えば旅行であれば「旅行前」「旅行中」「旅行後」となります。

4.顧客行動のサブテージを定義する

大枠となるメインステージとは別にサブステージを抽出します。
「旅行前」であればそのステージ内「旅行の計画」「チケットの予約・購入」「出発準備」という具合でサブステージを定義していきます。

5.顧客行動を洗い出す

定義したそれぞれのメインステージ・サブステージの中で具体的に顧客がとる行動をプロットしていきます。
たとえば「検索する」「資料を請求する」「比較する」「来店する」などの具体的な顧客アクションです。

6.顧客の感情を想像する

顧客の期待や不安がどこで発生しているのかを明記していきます。同時にその感情を抱いた際の心理状況も実際に書き出し、感情の波形を見える化していきます。

7.顧客の接点を明確にする

明らかになった顧客行動に対応する、自社と顧客の接点を挙げます。接点となるメディアや施策を、各ステージや行動に関連づけます。

8.提供価値を評価する

それぞれのステージでどのような自社サービの価値が提供できているかというのを振り返り、評価します。

9.ビジュアル化する

今までにまとめた顧客行動や、接点をより分かりやすくするためにアイコンなどを活用してビジュアル化する。

 

カスタマージャニーマップ参考例

上記のポイントを押さえて作成したものが上のカスタマージャーニーマップ。

実際に商品購入までのフェーズを「見える化」することで課題も明確に見えてきて、次なる施策を練りやすくなる。

まとめ

消費者の感情の浮き沈みや、フェーズごとの思考を分析することで、もっとこんなサービスがあったらな。とか、これは余分だから外したほうがわかりやすいな。という具合で改善できるのがメリット。

何か改革やリニューアルするにしても、やみくもに変えるのではなく消費者の認知から購入までの動向をチェックすると「変えるべき部分」がより明確になるのではないかと思います。

一生懸命、時間を割いて変えました!といってもそこにニーズがなければ、それはとても勿体無いことをしてしまっているのではないでしょうか。

カスタマージャニー。一部のマーケターだけでなく、店舗などの経営者さんも一度トライしてみることをおススメします。

 

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