「メールでお客様から問い合わせが来たら、AIが自動で内容を判断して、営業担当者のスケジュール表に予定を入れてくれる」。
少し未来の話に聞こえるかもしれませんが、これに近い仕組みが現実になりつつあります。
2026年4月、AIエージェント業界で、ひとつ大きな転換点がありました。中小企業の経営者にも関わってくる動きですので、できるだけ簡単にお話しします。
これまでの困りごと
これまでAIサービスの世界では、ある困った問題がありました。
例えば、社内文書はGoogle、メール対応はマイクロソフト、営業管理はSalesforce、というように、複数のシステムをお使いになっている会社は多いと思います。
ところが、それぞれのシステムにAIを入れても、A社のAIとB社のAIは「言葉が通じない」状態でした。営業のAIが「このお客様は重要です」と判断しても、メールのAIにそれが伝わらない。すると、せっかくのAIの活用範囲が、結局ひとつのシステムの中だけに閉じてしまいます。
AI同士が「同じ言葉」で話せるようになりました
2026年4月、Googleが「A2A」という共通仕様を発表しました。難しく聞こえますが、要は「異なる会社のAI同士が、同じ言葉で話せるようにするためのルール」です。
身近な例えで言うと、宅配便に似ています。ヤマト運輸も佐川急便も日本郵便も、伝票の書き方は違いますが、住所と郵便番号と電話番号という「共通の情報」があるおかげで、どこからでも荷物が届きます。これと同じ仕組みを、AIの世界に持ち込んだものとお考えください。
注目すべきは、この共通仕様にすでに参加している会社の顔ぶれです。
- マイクロソフト(Word、Excel、Teamsを提供)
- Amazon(クラウドサービス大手)
- Google(Gmail、ドキュメントを提供)
- Salesforce(営業管理システム大手)
- SAP(経営管理システム大手)
- ServiceNow(業務システム大手)
主要なIT企業がほぼ揃っています。これは「業界の標準が決まった」と言える状態です。
中小企業の現場では何が変わるのか
具体的に、ある会社を例にお話しします。
例:滋賀県の電気工事会社(社員5名)
これまでこの会社では、お客様からの電話やメールの一次対応を、社長ご本人が深夜まで対応されていました。営業時間外にAIで一次対応をしたいと考えていましたが、「どのAIを選べばいいか」「将来別のシステムに切り替えるとき大変ではないか」と踏み切れずにいました。
共通仕様が決まった今、判断基準がシンプルになります。
- 主要なAIサービス(Claude、Gemini、Copilotなど)はすべて共通仕様に対応
- つまり、最初に選んだAIで困らなくなり、後から別のAIを追加することもしやすい
- その結果、まずは一番取り組みやすいAIから始めればよい
この社長の場合、「電話の一次受け」をまずAIに任せ、半年後に「見積書の自動作成」、1年後に「経理データの月次集計」と、段階的に広げていくことが現実的になりました。
とはいえ、すぐに飛びつく必要はありません
ここまでお読みになって、「すぐにAIを導入しなければ」と感じられたかもしれませんが、その必要はありません。
大切なのは、「将来的に他のシステムと連携できるAIを選ぶ」ことです。具体的には、現時点で本番運用されている主要なAI(Claude、Gemini、Copilot、Agentforceなど)であれば、いずれもこの共通仕様への対応を進めています。これらの中から選んでおけば、将来の拡張で困りません。
FIRST MADEのお客様にとっての意味
FIRST MADEが提供する「FIRST INTELLIGENCE」は、Claudeというサービスをベースにしています。Claudeは、上記の共通仕様への対応を公式にロードマップに入れている会社のひとつです。
つまり、最初にFIRST INTELLIGENCEで業務を始めていただければ、将来「営業はSalesforce、社内はFIRST INTELLIGENCE、メールはマイクロソフト」というふうに広げていくときも、一からやり直す必要がありません。
2026年は「AIを業務に組み込む」最初の年
「業界の標準が決まる」というのは、技術の世界では大きな転換点です。インターネットの世界でも、ホームページの仕様が共通化された30年前を境に、爆発的にWebサービスが広がりました。同じことが、AIエージェントの世界でも起きようとしています。
中小企業の経営者にとって、今年やるべきことは大きく2つです。
- 自社の業務のうち、AIに任せられそうな部分を1つ、現実的に切り出す
- その業務を担うAIとして、共通仕様に対応した主要なサービスから選ぶ
このシンプルな2ステップで、来年以降の業務拡大が大きく変わります。FIRST MADEでは、最初の一歩のご相談を無料でお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。
出典
- Google Cloud「Google Cloud Next 2026: Agent2Agent Protocol」(2026年4月22日)
- The Next Web「Google Cloud Next 2026: AI agents, A2A protocol」(2026年4月)

