AI COLUMN

「A2Aプロトコル」が告げる新時代──AIエージェント業界に「業界共通言語」が生まれた日と、中小企業が今すべきこと

2026.04.30

AI COLUMN

「メールでお客様から問い合わせが来たら、AIが自動で内容を判断して、営業担当者のスケジュール表に予定を入れてくれる」。

少し未来の話に聞こえるかもしれませんが、これに近い仕組みが現実になりつつあります。

2026年4月、AIエージェント業界で、ひとつ大きな転換点がありました。中小企業の経営者にも関わってくる動きですので、できるだけ簡単にお話しします。

これまでの困りごと

これまでAIサービスの世界では、ある困った問題がありました。

例えば、社内文書はGoogle、メール対応はマイクロソフト、営業管理はSalesforce、というように、複数のシステムをお使いになっている会社は多いと思います。

ところが、それぞれのシステムにAIを入れても、A社のAIとB社のAIは「言葉が通じない」状態でした。営業のAIが「このお客様は重要です」と判断しても、メールのAIにそれが伝わらない。すると、せっかくのAIの活用範囲が、結局ひとつのシステムの中だけに閉じてしまいます。

AI同士が「同じ言葉」で話せるようになりました

2026年4月、Googleが「A2A」という共通仕様を発表しました。難しく聞こえますが、要は「異なる会社のAI同士が、同じ言葉で話せるようにするためのルール」です。

身近な例えで言うと、宅配便に似ています。ヤマト運輸も佐川急便も日本郵便も、伝票の書き方は違いますが、住所と郵便番号と電話番号という「共通の情報」があるおかげで、どこからでも荷物が届きます。これと同じ仕組みを、AIの世界に持ち込んだものとお考えください。

注目すべきは、この共通仕様にすでに参加している会社の顔ぶれです。

  • マイクロソフト(Word、Excel、Teamsを提供)
  • Amazon(クラウドサービス大手)
  • Google(Gmail、ドキュメントを提供)
  • Salesforce(営業管理システム大手)
  • SAP(経営管理システム大手)
  • ServiceNow(業務システム大手)

主要なIT企業がほぼ揃っています。これは「業界の標準が決まった」と言える状態です。

中小企業の現場では何が変わるのか

具体的に、ある会社を例にお話しします。

例:滋賀県の電気工事会社(社員5名)

これまでこの会社では、お客様からの電話やメールの一次対応を、社長ご本人が深夜まで対応されていました。営業時間外にAIで一次対応をしたいと考えていましたが、「どのAIを選べばいいか」「将来別のシステムに切り替えるとき大変ではないか」と踏み切れずにいました。

共通仕様が決まった今、判断基準がシンプルになります。

  • 主要なAIサービス(Claude、Gemini、Copilotなど)はすべて共通仕様に対応
  • つまり、最初に選んだAIで困らなくなり、後から別のAIを追加することもしやすい
  • その結果、まずは一番取り組みやすいAIから始めればよい

この社長の場合、「電話の一次受け」をまずAIに任せ、半年後に「見積書の自動作成」、1年後に「経理データの月次集計」と、段階的に広げていくことが現実的になりました。

とはいえ、すぐに飛びつく必要はありません

ここまでお読みになって、「すぐにAIを導入しなければ」と感じられたかもしれませんが、その必要はありません。

大切なのは、「将来的に他のシステムと連携できるAIを選ぶ」ことです。具体的には、現時点で本番運用されている主要なAI(Claude、Gemini、Copilot、Agentforceなど)であれば、いずれもこの共通仕様への対応を進めています。これらの中から選んでおけば、将来の拡張で困りません。

FIRST MADEのお客様にとっての意味

FIRST MADEが提供する「FIRST INTELLIGENCE」は、Claudeというサービスをベースにしています。Claudeは、上記の共通仕様への対応を公式にロードマップに入れている会社のひとつです。

つまり、最初にFIRST INTELLIGENCEで業務を始めていただければ、将来「営業はSalesforce、社内はFIRST INTELLIGENCE、メールはマイクロソフト」というふうに広げていくときも、一からやり直す必要がありません。

2026年は「AIを業務に組み込む」最初の年

「業界の標準が決まる」というのは、技術の世界では大きな転換点です。インターネットの世界でも、ホームページの仕様が共通化された30年前を境に、爆発的にWebサービスが広がりました。同じことが、AIエージェントの世界でも起きようとしています。

中小企業の経営者にとって、今年やるべきことは大きく2つです。

  1. 自社の業務のうち、AIに任せられそうな部分を1つ、現実的に切り出す
  2. その業務を担うAIとして、共通仕様に対応した主要なサービスから選ぶ

このシンプルな2ステップで、来年以降の業務拡大が大きく変わります。FIRST MADEでは、最初の一歩のご相談を無料でお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

出典

  • Google Cloud「Google Cloud Next 2026: Agent2Agent Protocol」(2026年4月22日)
  • The Next Web「Google Cloud Next 2026: AI agents, A2A protocol」(2026年4月)
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