この記事では、データドリブンの基本知識、データドリブンを実行するためのステップ、データドリブンを支える強力なツールについてどこよりも詳しく解説します。この記事を読んでデータドリブンに取組み際の参考にしていただければと思います。
「データドリブン」とは、情報分析を元に、成果の最大化のために施策をとることです。
具体的には、データの収集・分析、分析結果を元にした施策の実施や現状の改善を指します。
データドリブンとは
1.データの収集
2.データの分析
3.分析結果を元にした施策の実施や現状の改善
データドリブンという言葉を使っていなくても、KPIの設定・データ収集を行い、PDCAサイクルに沿って改善を行なっていれば実体は同じです。データドリブンは俗に言うPDCAサイクルを利用した業務改善手法である。とも言えるわけです。
ただし昔と違って現在では、ツールの進化によって、分析に使えるデータが飛躍的に増えました。以前よりも格段に低コストかつ短時間で、大量のデータを収集できます。
ともすれば「なんとなくこうではないか?」という感覚から行なわれていた意思決定が、可視化されたデータを元に行いやすくなっています。判断、施策の実施・改善までのスピードも高速化しています。このような状況変化により、データドリブンはアマゾン社員も常日頃から考えている重要なマーケティング手法です。
データドリブンマーケティングとは何か
「データドリブン◯◯」は、データを収集・分析し、成果の最大化につながる施策を割り出し実施するという手法です。ではマーケティング領域におけるデータドリブン、データドリブンマーケティングとは具体的にどのようなものでしょうか。
具体的な流れをご紹介するために、まずは最大化すべき「成果」を定義したいと思います。
マーケティングにおいて最大化を目指すべき成果、目的は複数存在します。新規顧客の開拓、商品やサービスの開発・改善など、さまざまな「成果」がありますね。ここでは「新規顧客の獲得」に焦点を絞り、データドリブンマーケティングについて説明します。
「新規顧客の獲得」を最大化すべき成果として設定した、データドリブンマーケティング(データの収集・分析、施策の実施や改善)の流れは以下となります。
データドリブンマーケティングとは
1.ターゲットの属性や行動、コミュニケーションのデータ収集
2.いつ・誰に・何をすべきかの分析
3.分析結果を元にした施策の実施・改善
新規顧客として獲得したい層(重要な顧客層=ターゲット層)の属性や、利用満足度やリピート率が高い層の利用動向(行動パターン)、どのような経緯を得て成約にいたったか(成約までに取ったコミュニケーションの内容やタイミング等)を調査・分析しましょう。
分析結果から、いつ・誰に・何をすべきか=顧客の獲得のために何をすべきか、何ができるかを割り出し、行動を起こしていきます。
収集すべきデータの例
・重要な顧客層=ターゲット層の属性
・利用満足度やリピート率が高い層の利用動向(行動パターン)
・成約にいたった経緯
・成約までに行なったコミュニケーションの内容やタイミング
データ分析には仮設を立てる
WEBサイトに訪れる流入経路は、検索や、ソーシャルメディア、Web広告から、メルマガからなど、ターゲットとなる人々が商品やサービスをどこから・どう知るかは実に様々です。
この状況の中、どのを流入経路をメインに使い、どう集客すべきかはデジタルマーケティングにおける重大な問題でした。
顧客にとっても企業にとっても、選択肢は非常に豊富です。
個々のユーザーは自分が慣れ親しんだ身近な手段、ルートを用いて商品やサービスの情報にアクセスするわけですが、企業側では数多くある手段のどれを優先すべきか、そのルートやコミュニケーション手段を使って何をどう伝えるするのが効果的なのか、的確な判断がなかなかできませんでした。
そんな中登場したのが、ビッグデータやパーソナライズといったバズワードを伴うツールです。
次世代のマーケティングツールが、大量のデータの取得・分析や、分析結果を元にした施策の判断や実施を可能にしました。
しかし、情報がありふれていいる中、そもそも信頼に足るデータであったとしても様々な解釈ができるということです。
例えばWebサイトにおける特定のコンテンツで、直帰率が高いものがあったとします。
皆さんならこのコンテンツに対しどのような分析を行いますか?
おそらく「コンテンツの質が悪かったから離脱してしまった」あるいは「このコンテンツだけで求める情報を入手できたので満足して離脱した」のどちらかではないかと思います。このように1つのデータに対してまったく対極の解釈をすることもできるのです。
従ってデータドリブンマーケティングではデータ分析の際に仮説を立て、活用していくことが重要です。様々なデータを組み合わせることで仮説の精度を上げていくのです。
先ほどの直帰率の例で言えば、同コンテンツでの滞在時間やPV数などを合わせてみていきます。こうすることで質が悪くて離脱してしまったのか、はたまた満足して離脱したのかといった分析をより正確に行っていくことができるでしょう。
データドリブンマーケティングの注意点
データドリブンマーケティングの難点は「収集したデータから効果的な施策を割り出すこと」「膨大なデータから有効なデータをピックアップすること」です。ツールの向上により、大量のデータの収集が可能になりました。しかし、ツールが補助になるとはいえ、最終的にそのデータを元にした判断を行うのは人間です。
判断は容易にはできませんが、最大化すべき成果(ゴール)から見た成功例や失敗例を地道に割り出し、蓄積し、効果的なチャネルや施策(メッセージを届けるべきターゲットやその手段、タイミング等)を探っていきましょう。
また、分析に利用できる大量のデータがあるのはありがたいことですが、大量のデータはその分、取得するのにも分析するのにもコストや手間がかかります。データドリブンマーケティングの本懐は「効率的に行う成果の最大化」、費用対効果の最大化をも目指すものです。
データ取得・分析の部分も、可能な限りコアとなる重要なデータに絞り込み、ムダなく行なっていきましょう。
データを集め、分析するうちに重要なデータ・不要なデータといった具合でデータの価値が見えてきます。不要なものは分析対象から省き、データも最適化してみてください。
WEBサイトもデータも作って、集めて「終わり」ではありません。
有効なデータをもって分析・判断することが大事です。