パリからミラノへ、美学を繋ぐ翼。ブルネロ・クチネリの哲学と、ドゥオーモの静寂

2025.12.29

パリの熱狂を背に、自分はシャルル・ド・ゴール空港から次なる目的地、イタリア・ミラノへと飛び立ちました。 イタリアには、実に2年ぶりのこと。

飛行機の窓から見下ろすイタリアの景色は、どこか懐かしく、けれど新しい冒険の予感に満ちていて、ただ眺めているだけで胸が高鳴りました。

五感を震わせるイタリアン・ガストロノミー

ミラノに到着してまず自分が向かったのは イタリアに来たからには、何をおいても本場のパスタとピザは外せません。

最初にいただいたのは、オマール貝とシュリンプがこれでもかと贅沢に入ったパスタです。 運ばれてきた瞬間、磯の香りとトマトの甘い香りが立ち込めます。

海老の旨味がぎゅっと凝縮されたソースがパスタに絡み、一口食べるごとに「あぁ、イタリアに帰ってきたんだ」という実感が喉の奥から広がっていきました。

さらに、昼下がりには陽光が降り注ぐオープンテラスでピザを堪能しました。

ふっくら焼き上げられた生地に、最高級の生ハムが惜しげもなく乗せられている。

ミラノの街を流れる穏やかな時間、行き交う人々の活気、そして絶品のプロシュートのピザ。

ただ「食」と「空間」を楽しむ贅沢。

20年前の自分には分からなかった、この「ゆとり」の価値が、今の自分には心地よく響きます。

職人の魂を纏う。――ブルネロ・クチネリと、マリネッラの「究極の紺」

今回のミラノ滞在の大きな目的は、パリに引き続き、本場のファッションの真髄に触れることでした。

まず訪れたのは、イタリアが誇る「ソロメオの哲学」の体現者、ブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)

店内を彩る最高級のカシミアや、洗練されたディスプレイからは、富の象徴としてのファッションではなく、着る人の人生に寄り添うような優しさと気品が漂っていました。

さらに、ナポレオン通りの近辺を練り歩き、キートン(Kiton)ボルサリーノ(Borsalino) といった、イタリアのクラフツマンシップの頂点とも言えるショップを巡りました。

中でも自分にとって特別な出会いとなったのが、ナポレオン生まれの老舗ネクタイ店、マリネッラ(E. Marinella)です。

そこで手に入れたのは、驚くほどプレーンな、ネイビーのソリッドタイ。

「究極の普通」とも言えるその一本は、手に取った瞬間にシルクの重厚な密度が伝わってくる逸品でした。 流行に左右されない、けれど確かな個性を宿したこのネクタイ。

それは、自分たちが手がけるクリエイティブにおいても、最も大切にしたい「普遍的な価値」を象徴しているようでした。

闇に浮かび上がる白亜の奇跡。ドゥオーモ広場の夜

夜は、ミラノの心臓部であるドゥオーモ広場(Piazza del Duomo)へと向かいました。

そこで目に飛び込んできたのは、夜の静寂の中に白く浮かび上がる、荘厳なドゥオーモの姿。

数千の彫像と尖塔が織りなすその造形美は、20年の時を経てもなお、いや、時を重ねたからこそ、その重厚さを増して自分の魂を圧倒します。

広場の近くでいただく夜の料理も、最高の一言でした。

歴史的な建造物に囲まれながら、イタリアのワインを傾ける。

ビジネスの戦場から離れ、こうして「本物」に囲まれる時間は、自分という表現者の輪郭をより鮮明にしてくれます。

スーツに宿る覚悟。――ミラノ・ブレンドと歩む、二日目の情熱

二日目の朝、自分はあえてスーツに袖を通しました。 首元には、昨日ゲットしたばかりのマリネッラのネクタイを締めて。

旅先だからといってラフに過ごすのではなく、街の美学に敬意を表し、自分を律する装いで街へと繰り出す。それが、今回のミラノでの「自分」の流儀。

銅(あかがね)の宮殿。スターバックス・リザーブ・ロースタリー

スーツ姿で向かったのは、世界に数店舗しかないと言われる、ミラノのスターバックス・リザーブ・ロースタリー(Starbucks Reserve Roastery)。 元郵便局の建物を利用した広大な空間は、もはやカフェというよりは、コーヒーの聖堂と呼ぶにふさわしい場所でした。

そこでいただいたのは、ここでしか味わえない「ミラノ・ブレンド」。 芳醇な香りと、深いコク。 巨大な焙煎機が回る音をBGMに、スーツ姿でコーヒーを啜る。

伝統を重んじながらも、革新を続けるこのロースタリーの姿勢は、まさに自分が目指す「伝統×テクノロジー」の在り方と共鳴するものでした。

太陽の下で輝く、もう一つのドゥオーモ

コーヒーで感覚を研ぎ澄ませた後は、再びドゥオーモ広場へ。

昨夜の幻想的な姿とは一変、太陽の光を浴びて青空にそびえ立つ昼のドゥオーモは、清々しいほどの神々しさを放っていました。

隣接するガレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の美しいガラスドームを眺めながら、スーツ姿でこの街を練り歩く。

パリの鋭利な感性とも違うミラノ特有の「洗練された日常」という文化。

20年前には見落としていた、石畳の一枚一枚にまで染み付いた職人たちの誇りを、今の自分はしっかりと受け止めることができました。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
10年前に始めたBLOGも800記事を超えました。
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CEO

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