FIRST MADEがアンソロピックの公式パートナーになりました。

2026.05.31

先日、私たちFIRST MADEは、AI開発企業アンソロピックの公式パートナーになりました。
Claude(クロード)というAIを生み出している、あの会社です。

自分がここ数年で、心の底から「とんでもないものが生まれてしまった」と震えた、ひとつの発明。
Claude Codeというツールと、それを生んだ人物について、どうしても書いておきたいのです。

Claude Codeの、衝撃

Claude Codeは、ひとことで言えば、AIが自分でプログラムを書き上げてしまう道具です。
パソコンの画面に「こういうものを作りたい」と、言葉で伝えるだけ。
あとはAIが自らコードを書き、動かし、間違いを見つけては直し、ひとつの形にまで仕上げていきます。
これまで何人もの技術者が何週間もかけていた仕事が、ものの数十分で動き出してしまう。
作った本人すら「プログラミングは、自分にとってはもう解けてしまった問題だ」と言い切るほどなのです。

大げさに聞こえるかもしれません。
けれど、世界で公開されるプログラムの更新のうち、すでにおよそ四パーセントが、この道具によって生まれていると言われています。
登場から、まだ一年ほどでの話です。
世界じゅうの技術者が「もうこれなしでは仕事にならない」と口を揃え、なかには長年使ってきた道具を、根こそぎ捨ててしまった人さえいる。
ものづくりの常識が、足元から崩れていく音が、自分には聞こえるような気がしました。

道具が、道具を作る

では、この衝撃は、いったい何が「次元の違う」ものなのでしょう。
火薬も、羅針盤も、活版印刷も、たしかに世界を変えた発明です。
けれど、それらはどこまでも、人間の力を「広げる」ための道具でした。
Claude Codeは、そこが少し違うのです。
これは、道具が、自ら新しい道具を生み出しはじめた、という出来事だからです。

象徴的な話があります。
このClaude Codeというソフトウェアそのものの、実に八割から九割が、すでにClaude Code自身の手によって書かれているというのです。
ソフトウェアが、ソフトウェアを書く。
道具が、自分自身を作り、磨いていく。
それはもう、便利な道具という言葉ではとても足りません。
新しい知能が、この世に生まれ落ちようとしている。
自分が「三大発明」と呼びたいのは、羅針盤や活版印刷の延長線上の話ではなく、まさにこの次元のことなのです。

作ったのは、どんな人か

これほどのものを生み出したのは、ボリス・チェルニーさんという人物です。
もとは巨大IT企業メタで、インスタグラムの土台となる仕組みを支えていた、最高位の技術者でした。
プログラミングの世界では知らぬ者のいない、定番の教科書まで自ら書き上げた、一流のエンジニアです。
そんな彼が、このClaude Codeを、ほとんど一人の手で形にしたといいます。

けれど、自分がいちばん心を惹かれたのは、その輝かしい肩書きではありませんでした。
彼が、この大発明にたどり着くまでの、意外な道のりのほうだったのです。

ど田舎で、震えた日

二〇二二年の暮れ。
彼が暮らしていたのは、なんと日本の、奈良の山あいの町でした。
奥様が日本で仕事を得たことをきっかけに、夫婦でこの土地へ移り住んだのだそうです。
町でただ一人の技術者として、自転車で農家の直売所へ通い、手づくりの味噌を近所と分け合う。
そんな静かな田舎暮らしを送っていました。

ある日、彼はニュースサイトで、ChatGPTというものに出会います。
試しに触れてみて、思わず息をのみました。
これは……本物だ。
頭のなかで、警報が鳴ったといいます。
このままでは、まずいことになる。
けれど、相談できる技術者は、周りに一人もいない。
その静かな村で、彼はたった一人、この新しい知能の意味と向き合いました。
そして、心を決めます。
自分は、これに関わらなければならない、と。

ほどなくして彼はアンソロピックの門を叩き、あのClaude Codeを生み出すことになりました。
味噌が、何年もの時をかけて、ゆっくりと深い味へ育っていくように。
彼もまた、奈良の静かな時間のなかで、来たるべき未来を、じっと見据えていたのかもしれません。

世界の常識をひっくり返すような発明の、すぐ隣に。
鹿の歩く村で味噌を仕込んでいた、一人の人間の物語がある。
その事実が、自分にはたまらなく愛おしく、そして、なぜだか勇気づけられる思いがするのです。
そんな人たちの集う場所と、同じテーブルにつけたことを誇りに。
自分たちも、焦らず、けれど確かに、歩いていきたいと思います。

この記事を書いた人

山中貴司
山中貴司代表取締役
株式会社FIRST MADE代表取締役。
Webブランディング10年を経て、2026年に中小企業向けAIエージェント事業「FIRST INTELLIGENCE」を立ち上げ。
自社でも15名のAIエージェントを日々の業務に運用し、実体験に基づくAI導入支援を行っています。
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