ナポリの空港を出発し、シチリア行きの飛行機へと乗り込みました。機体の翼にはギンガムチェックの模様が施されていて、旅の始まりを明るく彩ってくれます。
飛行機が滑走路を滑り出し、徐々に地上の風景が遠のいていく瞬間、心の中で「また新たな地が待っている」とワクワクが止まりません。ナポリの街並みが小さくなり、広大な地中海の青が窓一面に広がりました。
機内ではシチリアへの期待が高まり、少し落ち着かない気分。短いフライトでしたが、その間に目にする海と空は、まるでキャンバスに描かれた絵のように美しく、心が癒されるひとときでした。
シチリアの空港に到着したのは夕方。飛行機を降りた瞬間、目に飛び込んできたのは、どこまでも続く澄み渡る空と、堂々たる姿のエトナ山。「ああ、これがシチリアか」と一瞬でこの土地に魅了されました。
夕日に照らされたエトナ山は、歴史と自然の力強さを象徴するようで、まるで旅人を優しく迎え入れてくれるかのようでした。
バスに揺られながら感じた「映画」の風景
空港からバスに乗り込み、市街地へと向かいます。車窓から見えるのは、乾いた大地に広がる広大なオリーブ畑。遠くには小さな村が点在し、地中海の風が大地を包み込んでいました。
その景色に、ふと映画『ゴッドファーザー』のワンシーンが頭をよぎります。乾いた風景、力強い自然、そしてどこか哀愁を感じさせる空気感――シチリアは映画の中だけのものではなく、今も息づく現実の土地なのだと実感しました。
バスの揺れに身を任せながら、シチリアの歴史や文化に触れる旅の始まりに、胸が高鳴ります。
街へと近づくにつれ、石畳の道と歴史ある建物が姿を現しました。シチリアの街並みは、まるで時代を遡ったかのように古き良き雰囲気を漂わせています。
バスが目的地に到着する頃には、すっかり日が暮れ、穏やかで美しい時間が流れていました。
シチリアの伝統料理「パン・カ・メウサ」に舌鼓
宿に到着し、荷物を置くとすぐに夕飯を求めて街へ繰り出しました。向かったのは地元で有名な老舗のお店。そこで出会ったのが、シチリアのソウルフードとして名高い「パン・カ・メウサ」です。
「パン・カ・メウサ」とは、牛の脾臓や肺をじっくりと煮込み、ふわふわのパンに挟み込んだ伝統的な料理。たっぷりとかけられたチーズが全体を包み込み、視覚的なインパクトも抜群です。
ひと口頬張ると、牛の臓物の柔らかさと濃厚な旨味が口の中に広がり、チーズのまろやかな風味が絶妙に調和します。シンプルながらも奥深い味わいに、シチリアの歴史や文化が詰まっていることを感じました。地元の人々にとっては日常の味であり、観光客にとっては一生忘れられない一皿。
まさに「地元にしかない特別な美味しさ」でした。
お店の雰囲気も素晴らしく、外のテラス席では地元の人々が楽しげに語らい、笑い声が絶えません。夜のシチリアは石畳がライトアップされ、まるで魔法にかけられたかのような美しさ。そんな中でいただく「パン・カ・メウサ」は、格別の味わいでした。
シチリアのもうひとつの名物「アランチーニ」
翌日のお昼には、シチリア名物のライスコロッケ「アランチーニ」をいただきました。外はサクサクに揚がっており、中には温かいお米とミートソースがぎっしり詰まっています。トマトの酸味とお米の甘みが絶妙に絡み合い、素朴ながらも力強い美味しさが広がります。
付け合わせにはシンプルなポテトと、キリッと冷えた飲み物。アルコールを控えていたので、この日は爽やかな一杯を楽しみました。
シチリアの昼下がり、石畳の上でゆっくりと過ごす時間は、まさに旅の醍醐味です。
石畳とオレンジの灯りに包まれるシチリアの夜
シチリアの街並みは、日中とはまた違う顔を見せてくれます。夕暮れ時になると、街灯がともり始め、石畳の道がオレンジ色に染まります。カフェやレストランのテラス席は地元の人々や観光客で賑わい、楽しげな会話や笑い声が夜の風に乗って広がっていきます。
目の前には歴史を感じさせる建物が立ち並び、その壮麗な姿はまるで過去と現在を繋ぐかのよう。何百年もの時を超えてもなお、この土地が大切に守られ続けていることが伝わってきます。
夕飯を終えた後、夜のシチリアを少し散策しました。ライトアップされた教会や広場は、昼間の活気とは違い、静かで落ち着いた雰囲気。石畳を歩くたびに響く足音が、心地よい音楽のように感じられました。
ナポリから飛行機でシチリアへ。ギンガムチェックの翼に心を弾ませ、エトナ山が迎えてくれたこの旅の始まりは、まるで映画のワンシーンのようでした。
地元のソウルフード「パン・カ・メウサ」と「アランチーニ」は、シチリアの歴史と人々の暮らしが息づく料理でした。
石畳の道、ライトアップされた街並み、そして地元の人々の笑顔――すべてが忘れられない旅の一瞬となりました。
シチリアの街は、歴史と文化、そして自然の美しさが溶け合った場所。その全てが、訪れる人々を温かく迎え入れてくれていました。
次回はよりディープなスポットへ潜入です。
この記事を書いた人
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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