真夏のアンタルヤ再訪記 〜市場と旧市街に息づく旅のリズム〜

2025.09.08

イスタンブールから南へ飛行機でひとっ飛び。眼下に地中海の蒼が見えたとき、心の奥底にふわりとした高揚感が広がりました。アンタルヤは今回が二度目の訪問。

前回ここを後にするとき、友人のエルさんが笑いながら「次は必ず夏に来てね」と言ってくれました。その約束を果たすかのように、真っ盛りの7月、灼熱の太陽に照らされながらこの街へ舞い戻ってきたのです。

到着して最初に向かったのは、エルさんが営む「レーザーペンション」。古い石造りの街並みに溶け込むように佇むその宿は、派手さこそありませんが、旅人の心を落ち着かせる不思議な空気をまとっています。

彼の笑顔は前回と変わらず、まるで昨日別れたばかりの友人に会ったような感覚を与えてくれました。

チェックインを済ませ、荷物を置いてから旧市街を歩き始めると、真夏のアンタルヤが全身で歓迎してくれるようでした。石畳の細い道の上にはブーゲンビリアの花々が鮮やかに枝を広げ、影を落としながら人々を包み込んでいます。

鮮烈なピンクや紫の花が揺れるたびに、空気の熱気がほんの少しやわらぐ気がしました。通り沿いのカフェには観光客があふれ、陽射しに焼けた腕を机に投げ出しながらトルココーヒーをすする人々の姿が、まるで雑誌のワンシーンのように映っていました。

市場で見つけた、日常のトルコ

旧市街を抜けると広がる市場の喧騒。乾いた空気に混ざるのは、スパイスの香りと、焼き立てのパンの温もりです。袋いっぱいに積まれたザクロやオレンジ、山盛りのオリーブやナッツ、そして赤や黄色の香辛料がカラフルに並ぶ光景は、見ているだけで心が躍ります。

買い物袋を抱える地元のおばあちゃんが、店主と声を張り上げて値段交渉をしていました。その横では、若い観光客が珍しそうにドライフルーツを試食して笑っています。どこか懐かしいようで、それでいてエネルギッシュ。市場はその土地の“生活”を映し出す鏡であり、観光地のきらびやかさとはまた違ったリアルを感じさせてくれました。

自分もつい手を伸ばし、スパイスの山から赤唐辛子とクミンを少量買い求めました。日本に帰ったとき、キッチンに広がるその香りで、この旅の熱を思い出したいと思ったからです。

ロカンタでのスープ、旅のルーティン

アンタルヤ滞在で自分がすっかり虜になったのが、ロカンタ(大衆食堂)で毎朝のように口にしたスープでした。ロカンタは観光客用のレストランとは違い、地元の人々が日常的に通う場所です。

シンプルなテーブルと椅子に腰掛けると、気取らない雰囲気が心を解きほぐしてくれます。

 

スープは日替わりで、レンズ豆の温かなポタージュのようなものから、羊肉の旨味が溶け込んだ濃厚な一杯までさまざま。

レモンを絞り、パンを浸して食べると、胃の奥までじんわりと満たされます。旅先では食事が不規則になりがちですが、このスープのおかげで身体が整っていくのを感じました。

気づけば「今日のスープは何だろう」と毎朝の楽しみになり、それが旅のリズムを作っていたのです。

豪華なレストランよりも、こうしたささやかな日常の中に、旅の喜びは詰まっているのだと思いました。

海辺を見下ろす、きらめく時間

アンタルヤといえば、やはり地中海です。ビーチ沿いに立つホテルやカフェから見下ろすと、白いパラソルがずらりと並び、その隙間で観光客たちが思い思いに過ごしているのが見えました。

海はエメラルドとコバルトを混ぜ合わせたような輝きを放ち、太陽の光を反射して目を細めるほど。

水着姿の子どもたちが歓声を上げながら波と戯れ、クルーズ船がゆったりと沖を進んでいきます。自分は泳ぐことはしませんでしたが、丘の上からその光景を眺めているだけで十分に心が満たされました。

石畳の旧市街をさまよう楽しみ

夕暮れ時になると、旧市街の顔はまた違った表情を見せます。昼間の強烈な陽射しが和らぎ、石畳の通りにはオレンジ色の街灯がともり始めました。

ブーゲンビリアの花がライトアップされるように浮かび上がり、その下でワインを傾ける観光客や、チャイを片手に語り合う地元の若者たちの姿がありました。

どこを切り取っても絵になる街並み。その中を歩きながら、自分の心の奥底に「またここへ帰ってきた」という実感がじわじわと広がっていきます。前回の訪問から約1年半、街の風景は大きく変わってはいません。

けれど、自分の目に映る景色は少し違って見えます。それは旅を重ね、自分自身の心が少しずつ変化しているからかもしれません。

前半を終えて

こうしてアンタルヤでの最初の数日は、観光地を駆け回るのではなく、旧市街をぶらりと歩き、市場で香りを楽しみ、ロカンタでスープを味わう。そんな穏やかな時間が旅を豊かにしてくれました。

ただ、アンタルヤにはもうひとつ、心を大きく揺さぶる体験が待っていました。それが、激流を下るラフティングです。

街歩きの静かな時間から一転、自然の力とスリルに身を任せる冒険へ。次回はそのラフティング体験をメインに、アンタルヤの後半を綴っていきたいと思います。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
9年前に始めたBLOGも750記事を超えました。
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TAKASHI YAMANAKA

CEO

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