台湾・高雄〜近代と伝統が交差する街で屋台の灯りに誘われて〜

2025.02.02

イタリアから日本へ一時的に帰り、一週間程度でリアルな打ち合わせを終え、また旅にでる準備をします。

今回は初めての台湾。日本からも近く、昔日本の統治下にあった歴史もあるので日本語も結構通じる。なんて話を聞いていたのでワクワクしながら飛行機に乗りました。

台北に到着するなり、新幹線に乗り、高雄へ向かいました。車窓から流れる景色は、次第に都会から南国の空気をまとい始め、旅への期待が高まります。

台湾南部に位置する高雄は、日本統治時代の名残を色濃く残しながらも、現代的な発展を遂げた港町です。

この旅では、高雄の象徴ともいえる美麗島駅を訪れ、夜市の屋台で絶品グルメを堪能し、壮大な歴史を誇る寺院を巡りました。

美麗島駅 〜光のドームが語る歴史〜

地下鉄・美麗島駅の改札を抜けた瞬間、目の前に広がる壮大なステンドグラスのドームが目に飛び込んできました。まるで宇宙に迷い込んだかのような幻想的な光景が広がっています。

「光のドーム」と名付けられたこのステンドグラスアートは、世界的な芸術家ナーク・オースティン氏の作品です。直径30メートル、ガラス総面積660平方メートルにも及ぶこの作品は、生命の誕生と宇宙の広がりをテーマに描かれています。

天井を見上げると、青く輝く海のモチーフや、燃え上がるような赤い太陽、そして柔らかな光を放つ大地の緑が描かれています。それぞれの色には意味があり、青は水の生命力、赤は情熱、緑は自然との調和を象徴しているとのことです。

しかし、この美しい駅の名前には、台湾の激動の歴史が刻まれています。

1979年、美麗島事件と呼ばれる政治弾圧がここで発生しました。当時の台湾は戒厳令下にあり、民主化を求める人々の声は厳しく抑え込まれていました。

そのような中、反政府運動の中心となった雑誌『美麗島』の関係者らが弾圧を受け、多くの活動家が逮捕されました。この事件をきっかけに、台湾の民主化運動は加速し、のちの自由な社会へとつながっていきました。

光のドームの美しさは、そうした暗闇の歴史を乗り越えた台湾の希望の象徴とも言えるかもしれません。

夜市で味わう、台湾グルメの真髄

高雄の夜は、屋台の灯りと食欲をそそる香りで満ちています。

まず向かったのは「六合夜市」です。地元の方々から観光客まで、多くの人々が訪れるこの夜市は、台湾グルメの宝庫といえる場所です。

最初にいただいたのは「ルーローハン(滷肉飯)」です。台湾庶民のソウルフードとも言われるこの料理は、甘辛く煮込まれた豚肉が白米の上にたっぷりとかかった一品です。

じっくりと煮込まれた豚バラ肉は、脂の甘みと醤油のコクが絶妙に絡み合い、白米とともに口に含むと、とろけるような旨味が広がりました。日本円にして150円程度。

翌日も、夜市名物の「炒飯」をオーダー。

鉄板の上でジュウジュウと音を立てながら炒められる米粒。卵、ネギ、豚肉が絶妙に絡まり、シンプルながらも奥深い味わいでした。

屋台の片隅で、台湾ビールの缶を飲みました。夜市の喧騒の中で味わうビールは、格別な美味しさでした。

「酸辣湯(サンラータン)」です。台湾でも定番のスープで、酢の酸味と胡椒の辛味が効いた一品です。

水餃子と酸辣湯のセット。こちらも高雄の記憶に残るご飯でした。

屋台のカウンターで注文すると、大きな鍋からとろみのあるスープがすくわれ、具材がたっぷりと入った熱々の酸辣湯が手渡されました。

レンゲでスープをすくい、口に運ぶと、まず感じるのはまろやかな酸味。その後、ピリッとした胡椒の辛さが舌に残ります。中には細切りの豆腐やキクラゲ、溶き卵が入っており、それぞれの食感がスープに奥行きを与えています。寒い日や、少し疲れたときに飲むと身体が芯から温まる、そんな優しい味わいでした。

水餃子の屋台です。
台湾の水餃子は、日本の焼き餃子とは異なり、茹でたものが一般的。

屋台の前には、手際よく餃子を包む店員の姿がありました。生地を薄く伸ばし、たっぷりの餡を包み込み、それを熱湯の中へと投入していきます。しばらくすると、ぷっくりと膨らんだ水餃子が湯気とともに取り出されました。

さらに見つけたのが、少し変わった一品「カラスミ串」です。台湾の特産品であるカラスミを、大根とネギで挟み、串に刺したものです。カラスミの塩気と、大根の瑞々しい食感が絶妙なバランスで、これはお酒の肴にぴったりでした。

夜市を歩きながら、美味しいものがある場所には笑顔が溢れていることを実感しました。屋台の店主たちが、慣れた手つきで料理を仕上げ、お客様と軽く言葉を交わしながら提供する光景。

その何気ないやりとりの中に、昭和の日本を思い起こさせるような、ノスタルジックな空気感と台湾の温かさが感じられました。

北極玄天上帝廟 〜荘厳なる神々の領域〜

食を堪能した後は、歴史と信仰の息づく場所へと足を運びました。

向かったのは「北極玄天上帝廟」です。ここは、台湾の人々に篤く信仰されている道教の寺院で、三国志の関羽や玄天上帝(北極神)を祀る場所です。

寺院の入り口には、巨大な門がそびえ立ち、そこをくぐると壮大な神像が迎えてくれました。その大きさに圧倒されながら、境内を進むと、煌びやかな装飾と歴史を感じさせる香炉が並んでいました。

寺の内部では、地元の方々が静かに手を合わせ、線香の煙がゆらゆらと天へ昇っていました。台湾の寺院文化は、日本の仏教寺院とはまた違った独特の雰囲気があります。

興味深かったのは、おみくじの文化です。台湾では「筊杯(ポエ)」と呼ばれる赤い三日月型の木片を地面に投げて、神様の意思を伺う習慣があります。この日も、多くの方が神様に問いかけながら、真剣な眼差しで木片の向きを確かめていました。

次回は高雄のアートでも人気のスポットへ潜入します。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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TAKASHI YAMANAKA

CEO

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