朝焼けの空へ舞い上がる 〜カッパドキア熱気球の奇跡〜

2025.09.12

カッパドキアの朝はとても早い。ホテルのフロントに集合したのは午前5時前。まだ外は薄暗く、空気には夜の冷たさが残っていました。

そこへ迎えの車が到着し、我々を会場へと連れて行ってくれました。車内は外国人観光客でいっぱいで、みんな少し緊張した面持ちをしています。

眠気よりも期待が勝っていて、窓の外に広がる影のような岩山を見つめながら胸が高鳴っていました。

到着すると、すでに準備が始まっており、巨大な気球が地面に広げられていました。布の隙間から熱風が送り込まれるたびに、気球がゆっくりと息を吹き返すように膨らんでいきます。

ゴォォというバーナーの音が静寂を破り、気球の影が次第に夜明けの空を覆い始めました。その光景に立ち尽くし、気づけば何枚も写真を撮っていました。

バスケットに乗り込む瞬間、ついにこのときが来たのだと実感。

気球がふわりと地面を離れたとき、心臓が跳ねるように鼓動を打ちました。視界が一気に開け、足元の大地がみるみる小さくなっていく。

その高さに思わず足がすくみましたが、同時に全身が震えるほどの感動に包まれました。隣の外国人グループも歓声を上げ、互いに目を輝かせながら空へと昇っていきました。

風に乗って漂う、夢のような時間

気球が安定して浮かび始めると、不思議なほどの静けさが訪れました。

時折バーナーの火が噴き出す音だけが響き、それ以外はまるで時間が止まったように穏やかです。下を見下ろせば、カッパドキア独特の奇岩群が地平線まで続き、朝焼けの光に照らされて黄金色に輝いていました。

遠くの谷は薄紫色に煙り、家々の屋根がまるで積み木のように小さく連なっています。その景色の中を数十もの気球が舞い上がり、空に描かれる模様はまるで巨大な絵画のようでした。

自分はただその場に立ち尽くし、心に焼き付けるように景色を眺めていました。

およそ2時間にわたるフライトは、本当にあっという間でした。気球の揺れはほとんどなく、風に乗って運ばれていく感覚は、まるで夢の中に漂っているかのよう。

人生で一度は体験したいと思っていた気球に、まさかここまで心を動かされるとは想像していませんでした。

大地に戻り、シャンパンで祝う

やがて気球は高度を下げ、地上のクルーたちが待つ空き地へとゆっくりと近づいていきました。バスケットが地面に触れると、全員から自然と拍手が起こり、緊張が解けて笑顔がこぼれました。

その後キャプテンから「無事のフライトを祝して」とシャンパンが配られ、乗客全員で乾杯しました。

グラスを掲げながら、心の中では「やり遂げた」という達成感がじんわりと広がっていました。さらにフライト証明書を手渡されると、紙一枚の小さな記念品なのに、不思議と誇らしい気持ちになりました。

自分が確かにこの空の旅に参加した証なのです。

その後も気球に魅せられて

しかし、この感動は一度きりでは終わりませんでした。あまりの美しさに胸を打たれた自分は、その翌日もさらに次の日も、夜明け前に目を覚ましてホテルの屋上へと向かいました。

空に浮かぶ気球を、今度は地上からじっくり眺めたくなったのです。

ケーブホテルの屋上に腰を下ろし、冷たい空気の中でコーヒーをすすりながら見上げる空。

まだ暗い空に、気球が次々と浮かび上がり、太陽が昇ると同時に空全体が柔らかなオレンジ色に染まっていきます。観光客も同じように屋上に集まり、カメラを構えながら静かにこの光景を楽しんでいました。

乗って見る景色と、地上から見上げる景色。どちらも異なる魅力があり、二度、三度と繰り返し見るほどに、その美しさは色あせるどころかむしろ深まっていくのです。

実は次の日も早起きして同じ場所に向かい、ただ無数に打ち上がる気球をみて、朝から感極まる景色を噛み締めていました。

カッパドキアの気球は単なる観光体験ではなく、人の心に永遠に残る「朝の奇跡」だと強く感じました。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
9年前に始めたBLOGも750記事を超えました。
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この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA

CEO

1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
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