公平と平等の真実。

2022.05.01

GW真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて先日、タカシ「公平」と「平等」の違い分かる?と言われて、少し悩みました。

 

公平とは

公平とは能力や貧富の差に応じて適切な扱いをすること、あるいはその状態のこと。

単位ごとに格差がある集合に対して、相対的に同じ効果を与えられるように、単位ごとに効果量を調整することを意味します。

平等とは

対して平等とは差別や偏りがなく、一様に扱うこと、あるいはその状態のことです。

ある集団に対して一つの基準を定め、その基準を全ての単位に適用することを意味します。またこの場合、各単位ごとの格差や違いは考慮されていません。

 

つまり、公平は異なる能力を持つ者を別々に扱いますが、平等は異なる能力を持つ者を全て同等に扱います。平等は得てして尊いものとされますが、現実ではよくない状況を引き起こす場合が多いです。

例えばバスの座席を誰でも平等に座っていいとすると、元気な人が席を埋め尽くして妊婦さんや足を折っている人が立っていたとしても、誰も文句が言えなくなります。なぜなら座る権利が誰に対しても平等だからです。
一方公平の観点から見れば、立てる能力がある者、つまり健康で体力がある人が立つべきで、そうでない人が優先的に座るべき、となります。

成果を上げている社員と怠けている社員の給料が同じだと不満が生まれ、全体の労働意欲が下がります。子供と大人に同等な量の労働を課せば、体格の劣る子供への負担率が大きくなってしまいます。

このように、時として平等は不公平を生むのです。

この意味がわかるでしょうか。

習い事

例えば…

習い事を例にして考えてみましょう。

塾、水泳、サッカー、ピアノ、絵画、などなど。子供たちはこれらの習い事を受けることで、受けなかった子に比べて高い能力を獲得できます。能力が高くなるとそれだけ未来が開けます。
たくさんサッカーを練習して上手になった子供ほどサッカー選手になれる確率は上がり、たくさん勉強して賢くなった子供ほど受験に有利になります。

優秀な子供がそうでない子供よりも評価されるこの社会は、公平と言えます。また、同じ基準(例えばテストの点数)を用いて全員を評価しているという点では平等であるとも言えます。
しかしもう一歩踏み込んで考えてみると違う見解を得ることができます。

そもそも習い事を受けるにはお金がかかります。お金がかかるということは、所得が高い家庭の子供ほど習い事を受けやすいということです。例えば裕福な家庭の子供は塾に通うことができて成績が良くなります。一方貧しい家庭の子供は塾に通えないので成績が相対的に悪くなります。
極端に言えば親の所得が高いほど子供の成績が良いということです。

真に公平に評価するならば、(かなり強引な手法ですが)テストの点数を親の所得で割れば、「親の所得1円あたりの子供の能力」を計測することができ、所得によるバイアスを打ち消すことができます。またここまでしなくても、親の所得が高い生徒の点数は0.9倍するなどの方法もあります。

富裕層と貧困層という不平等な集団があるにも関わらず、テストの点で平等に評価しているため、所得の差がそのまま点数の差に反映されます。本来は学生の能力や努力度を計るテストにおいて、学生の力ではどうしようもない「親の所得」が反映されていることは、テストの趣旨に沿わない要因で得をする人と損をする人が現れるため不公平です。

飲みの場

例えば三人が居酒屋に行ったとします。楽しく飲んで、楽しく食べて、お会計は合計で9000円でした。平等の観点から言えば、三人とも同等の金額を払うべきなので、一人3000円払うことが望ましいです。
しかしここで一つ問題が発生します。実はAさんは車で来ていたのでお酒を飲んでいませんでした。BさんとCさんが高いお酒をたくさん飲んでいる間、Aさんは安いジュースばかり飲んでいたのです。

つまり、割り勘は平等であって不公平ということになります。

公平の観点から言えば、Aさんの払う金額を減らして、例えばAさんが2000円、BCさんが3500円とするのが望ましいです。
ただ、習い事の場合と同様に、情報を足して考えてみるとやはり見解が変わります。

実はAさんはデザートをたくさん頼んでいて、それらを全て一人で食べてしまっていました。そうすると、やはり大体同じ金額を払う方が公平ということになります。

様々なシーンを例に挙げて考えると、「公平」と「平等」の違いがわかりますね。

そして、これを人種差別問題に当てはめると道徳の観点が入ってくるので答えはより明確になります。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA

CEO

1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
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