さて今回はアンタルヤからカッパドキア編です。
前回カッパドキアを訪れたときは、団体ツアーのバスに揺られての旅でした。道中の景色をただ窓から眺めるだけで、決められた休憩所に立ち寄り、決められた時間に動き出す。確かに安心ではありましたが、どこか「自分の旅」ではない感覚も残っていました。
しかし今回は違います。レンタカーを借り、自分でハンドルを握りしめてアンタルヤを出発しました。ナビには「6時間半、約500km」の文字。数字だけを見れば長く感じますが、車を走らせるのは自分自身。どこで休むか、どの景色を切り取るか、全てを自分で選べる自由。
その解放感が胸の奥でじわりと広がり、アクセルを踏む足取りを軽やかにしてくれました。
出発前夜、エルさんのおすすめケバブロール
旅立ちの前夜、アンタルヤでお世話になった友人エルさんが「最後にここは絶対に行ったほうがいい」と案内してくれたのが、地元で人気のケバブロール屋でした。
紙に包まれた温かいロールをかじると、ジューシーな肉汁とトマトの酸味、香草の爽やかさが一度に広がり、思わず笑みがこぼれました。シンプルでありながら完成された味わい。
旅の門出にふさわしい食事に、心が満たされていきました。
フォードで走る乾いた大地
翌朝借りたのはフォードの車。シートに身を沈め、ハンドルを握る瞬間、胸の奥に小さな緊張と大きな高揚感が同時に押し寄せました。車を走らせると、オリーブ畑が広がる景色が続き、やがて乾いた山岳地帯へ。一本道の先にはかすんだ山並みが伸び、時折羊飼いが道を横切る。
そんな光景に少し前にカリフォルニアを縦断した時のように「これぞ旅だ」と感じずにはいられませんでした。
スピードメーターは100kmを指していましたが、体感はもっと速く感じました。風景が次々と変わり、旅の実感が身体に刻み込まれていきます。
ローカル食堂「MAVIS DONER」での昼食
お昼時、道沿いに現れた「MAVIS DONER」という食堂に立ち寄りました。
観光客向けではなく、地元の人々が日常的に訪れる場所。出てきたのは、スパイスの効いた肉をパンで包んだドネルケバブと新鮮なサラダ。
香ばしい香りと素朴な味わいに、自然と運転の疲れも癒されました。こうして地元の食堂に寄ると、その土地の暮らしに触れたような気持ちになり、旅の味わいがぐっと深まります。
ギョレメで出会ったヴィンテージ絨毯の世界
夕暮れが近づいた頃、ようやくギョレメに到着しました。
独特の奇岩群に囲まれた街に入ると、偶然目に入ったヴィンテージ絨毯の店がありました。
ふらりと足を踏み入れると、そこには年季の入った美しい絨毯が幾重にも重ねられ、店主が誇らしげに広げて見せてくれました。
赤や青の模様が織りなす幾何学模様、触れるとわかる羊毛の柔らかさ。時間を超えて受け継がれてきた織物には、旅人の心を揺さぶる力がありました。
ケーブホテルで過ごす夜
その日の宿泊先は、岩を掘り抜いて造られた「ケーブホテル」。部屋に入ると、ランプの灯りに照らされた洞窟の壁が黄金色に輝き、異世界に迷い込んだような感覚に包まれました。
ベッドに身を横たえると、石の静けさが心地よく、長いドライブの疲れを優しく癒してくれました。
次回はいよいよ、気球に乗ってカッパドキアの大地を空から眺めます。前回の訪問では叶わなかった憧れが、ついに現実となります。
この記事を書いた人

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- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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