今回、世界一周の旅の一環として、アフリカ大陸に向かうフライトの経由地として選んだのがヨーロッパでした。
数ある国の中で、自分が「ここに立ち寄っておきたい」と直感で選んだのが、イギリス・ロンドン。
理由は明確でした。音楽、ファッション、建築、そしてストリートカルチャー。自分のクリエイティブの源流とも言える数々の文化が、この街には息づいています。
到着したのはヒースロー空港。時差の関係で身体には少し疲労も残っていましたが、宿に着くなり目の前に広がった光景に一気に心が躍りました。徒歩圏内にロイヤル・アルバートホール、そしてハイドパーク。まるで誰かがこの旅のために舞台装置を用意してくれていたかのような完璧なロケーション。
この偶然のような必然が、自分にとってのロンドン滞在の序章となりました。
ロンドンに降り立つと、5月の柔らかな空気が肌を撫で、世界が少しだけ静かに呼吸を始めたような気がしました。ヒースロー空港から市街地へと向かう道中、自分の中で何かが静かに目を覚ましていくのを感じます。
歴史とアート、音楽と革新が交差するこの街。今回の宿は、なんとロイヤル・アルバートホールまで徒歩で行ける距離でした。
夜の帳が降りる前に足を運ぶと、石造りのホールが夕暮れに照らされて、まるで時間が止まったかのような静けさに包まれていました。音楽が聴こえてこなくても、ここには確かに音楽が生きている――そんな錯覚を覚えるほどの存在感でした。
昼間はハイドパークを散歩しました。日差しが心地よく、木々の緑と人々の笑顔がロンドンの穏やかさを物語っていました。ときおり目に飛び込んでくるユニオンジャックのフラッグに、旅人としての気持ちが高揚します。バスは真っ赤で、ダブルデッカーという存在感。絵に描いたようなロンドンの景色が、目の前に広がっていました。
伝説が染みついた100 Clubの夜
初日の夜、足を運んだのはオックスフォード・ストリートにある老舗ライブハウス「100 Club」。
ロンドンのロックンロールの心臓とも言える場所です。
ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、セックス・ピストルズ…。
数え切れないほどの伝説がこの小さなステージを踏みしめ、音を鳴らし、世界を震わせてきたことを想像すると、まるでその残響が今でも耳に届いてくるような気さえしました。
壁に飾られたポスター、床の擦れた木材、どれをとっても「本物」でした。表面を着飾ることなく、ただそこにある。自分にとってもクリエイションの原点とは何かを改めて考えさせられるような、濃密な夜でした。
アビーロード、裸足で歩く夢の中
翌日は、かねてより訪れたかった場所。
そう、アビーロードスタジオへと向かいました。ビートルズの名盤『Abbey Road』のジャケットに描かれたあの横断歩道。心を決めて、裸足でその白いラインを渡りました。
一見シンプルな横断歩道が、自分にとっては聖地であり、人生のチェックポイントのような場所。
たまたま信号が変わるタイミングに恵まれ、何度も渡っては写真を撮り直しました。旅先でのこの「ひと手間」こそが、思い出をかけがえのないものへと変えていく魔法なのだと思います。
スタジオの中では、グッズを手に取ってはビートルズのレコードを思い出しながら、一つひとつに意味を込めて選びました。たった数点ですが、どれもがロンドンの空気をまとった宝物となりました。
レザーに宿る精神──ルイスレザー再訪記
今回も忘れずに立ち寄ったのが、あの「Lewis Leathers(ルイスレザー)」本店。バイクカルチャーとブリティッシュスタイルが交錯するこの場所には、他にはない緊張感と洗練が共存しています。
一年ぶりの再訪でしたが、スタッフのジョンが変わらず在店しており、変わらないジャケットに袖を通していました。あの姿に、ロンドンのカルチャーの軸が揺らいでいないことを改めて確認できたように思います。
自分は今回は購入はせず、前回オーダーしたレザーを思い返しながら、数点のジャケットを試着して感触を確かめました。そして恒例となっている近所のフィッシュ&チップスのお店へ。
タルタルソースの香りとカリッと揚がった白身魚が、この街の空気と合わさって、何とも言えない安堵感をもたらしてくれます。
第二部へと続く約束──ロンドンの深層へ
まだまだ歩きたい街路、感じたい歴史、触れたい文化がたくさんあります。
次回は、ビッグベンやウェストミンスター寺院、タワーブリッジなど、より深くこの街を巡る旅の記録を綴ってまいります。
その景色の中にどんなストーリーが待っているのか、自分自身も楽しみにしています。
この記事を書いた人

- 代表取締役
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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