真夏のシチリアを歩く 〜モンレアーレ聖堂への坂道と絶景〜

2025.01.18

パレルモを拠点にした旅は、常に新たな発見を与えてくれます。その日向かったのは、歴史あるモンレアーレ聖堂(Duomo di Monreale)。この場所は、ユネスコ世界遺産に登録された「アラブ=ノルマン様式」の建築群の一部であり、訪れる価値があると聞いていました。しかしその道のりは、想像以上に冒険的なものでした。

モンレアーレが近づくにつれて、坂道が徐々に急勾配になり、街並みの景色が目の前に現れるたびに期待感が高まります。

真夏の挑戦:40度近い暑さと坂道の連続

モンレアーレのバス停で降り立った瞬間、強烈な夏の日差しが体を包みました。

この日の気温は40度近く。真夏のシチリアの暑さは、まさに肌で感じる「熱気」という表現がふさわしいものでした。聖堂までは少し距離があり、石畳の道や急な坂道をひたすら歩く必要がありました。

道中、家々のバルコニーには洗濯物が干され、カラフルな花々が飾られています。

観光地化されたパレルモの中心部とは異なり、この街では地元の人々の普段の生活が垣間見えました。おばあさんたちが玄関先で談笑していたり、子どもたちが通りで遊んでいたりと、どこか懐かしい雰囲気が漂っていました。

この道のり自体が、モンレアーレという街の本質を感じさせてくれる時間だったのかもしれません。

モンレアーレ聖堂の輝きと静寂

ようやく辿り着いたモンレアーレ聖堂は、その威厳と美しさで、暑さと疲れを一瞬で忘れさせてくれるものでした。

外観は力強さと重厚感に満ちており、アラブ、ノルマン、そしてビザンティン文化が融合した独特の建築様式に目を奪われます。

中に足を踏み入れると、ひんやりとした空気とともに、豪華絢爛なモザイク画が迎えてくれました。

特に印象的だったのは、キリストの姿を描いた巨大なモザイクです。黄金に輝くそのモザイクは、天井から壁一面に広がり、まるで別世界に迷い込んだような感覚を与えてくれます。

細部にまで込められた職人の技術は、ため息が出るほどの美しさでした。ベンチに腰掛けながら、その空間の静けさと荘厳さをじっくりと味わうひとときは、旅の中でも特別な記憶となりました。

また、聖堂内に展示されていたオルガンや彫刻なども興味深いものでした。

長い歴史の中でこの場所がどれだけ多くの人々を迎え入れてきたのかを感じさせるもので、訪れる価値がさらに高まるように思えました。

モンレアーレから見下ろす景色:シチリアの大地を一望する

聖堂を見学した後は、モンレアーレの街の高台から周囲を眺めました。眼下には、シチリアの大地が広がり、遠くにはパレルモの街並みと地中海が一望できます。赤茶色の屋根が連なる町並みはどこか素朴で、シチリア特有の美しさを感じさせてくれました。

坂を登ってきた疲れを忘れるほど、この絶景は圧巻でした。丘陵地帯と町並み、そしてその先に広がる海。これらがひとつの景色としてまとまっているモンレアーレの眺めは、写真では伝えきれないほどの迫力と感動がありました。

モンレアーレで感じた「本物」のシチリア

モンレアーレは、単に観光地として訪れるだけではなく、「本物のシチリア」を感じることができる場所でした。観光地化されすぎていない街並み、地元の人々の生活感、そして歴史的な聖堂の壮大さ。これらすべてが一体となって、この場所を特別なものにしていました。

また、真夏の厳しい暑さの中で汗をかきながら歩いた道のりは、確かに大変ではありましたが、それ以上にシチリアの風景や空気を肌で感じることができた時間でもありました。旅の中で味わうこうしたリアルな経験は、いつまでも心に残るものです。

モンレアーレからパレルモへの帰り道、夕方の涼しい風が心地よく感じられました。この日見た景色と感じた体験は、シチリアの魅力をより深く知るための一歩だったと思います。

次回は、いよいよイタリア編最終章、あの有名映画の舞台へ正装して向かいます。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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TAKASHI YAMANAKA

CEO

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