少し前の話になりますが、僕の大好物「新子」を頂きに京極寿司さんへ行ったときのこと。
寿司職人の眞杉さんと「おせっかい」について色々とお話する機会がありました。
というのも、眞杉さんが出される京極寿司のお寿司について、昔話から今に至るまでヒストリーを聞かせていただいた時のこと。
寿司と一口に言ってみても、昨今様々なスタイルがあります。
ムスッと構えてほぼ無口なスタイルで、次のネタを仕込み、タイミングを見てお客様に出すスタイルから、店主がよく喋り、所謂「映え」を狙った、創作系のお寿司屋さんなど。
京極寿司さんは、そのどちらでもない絶妙なスタンスです。
で、僕は大将(眞杉さんの父)の気さくな感じが凄く好きなので、お客さんの距離感などを聞いてみました。
ん〜あの感じって江戸っ子の文化なんだよね。っとおっしゃられていて、それってどうゆうことですか?と聞くと、「おせっかい」だという。
「おせっかい」とは、現代の日本においてどちらかと言うとネガティブな印象を受けるワードなんだけれど、こと「江戸前」で当てはめると、またたく間に好印象な言葉に変身するから、これが不思議です。
その昔、江戸前寿司の大将は誰もがよく喋り、相手を気持ちよくさせたそう。
聞かれてもないことを言い、相談もしていないのに、話に割り込む。笑
例えば江戸時代、裏店に住む近所付き合い、ときには浪人とはいえお武家さまも巻き込んだ人情。
「やせ我慢」、「おせっかい」、「意地っ張り」こういったことが美徳とされていた時代。
お寿司というものと紐付けると、現代においても、また、日本人としても忘れてはならない文化だな。って思ったというお話です。
しかし、この昨今おおきな「おせっかい」がヒートアップしています。、最近のSNS系の部分と紐付けるとガーシー議員に代表される、〇〇砲ってやつは人の関心を引くためになら、誰かを傷つけても構わない。なんて発想です。
誰かのために(それも頼まれてもないのに)が「おせっかい」なんだなと。改めて深く考えさせられた。「粋」「鯔背」などまだまだ日本人として知りたいルーツ(背景)があるな〜。
こういうのって「本」を読んだりググったりでも、答えはでるんだけど、やっぱりその道の人から聞くと、咀嚼度合いが違う。と感じた8月でした。
この記事を書いた人
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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