楽園の風と銀色の牙。ハワイの運河に潜むバラクーダと向き合う。

2025.12.21

サンフランシスコの霧が遠い記憶のように薄れていく。 飛行機の窓から見えたのは、太平洋の深い群青色が、岸に近づくにつれて宝石のようなエメラルドグリーンへと溶け出していく景色でした。ハワイ・オアフ島。今回の旅は、いつものレンタカーを借りるスタイルをあえて捨て、現地の風を直接肌で感じる「バス移動の旅」から始まりました。

背中には、メキシコからサンフランシスコ、そしてこの島へと持ち歩いてきた釣り竿。 狙うは、砂地のゴースト、ボーンフィッシュ。

楽園の光と影、そして予期せぬ自然の猛威に翻弄された、自分の釣り紀行をお届けします。

楽園の風に抗い、バスの車窓から見つめた青い衝動

ホノルル空港から「TheBus」や、パイナップルが描かれた鮮やかな「HiBus」に乗り込み、地元の人々の生活のリズムに身を任せる。

いつもはハンドルを握り、目的地まで最短距離で突き進む自分。でも、電車の窓から見たサンフランシスコの景色がそうであったように、バスの大きな窓から眺めるハワイの街並みは、驚くほど新鮮なディテールを持って語りかけてきました。

流れるヤシの木、街角の「Hard Rock Cafe」、そして次第に近づいてくる潮の香り。

たどり着いたアウトリガー・ビーチサイド。自分は迷わず海パンに着替え、浅瀬へと足を踏み入れました。 使用するのは、日本から持ち込んだシーバスタックル。そこに、ブラックバス用の小さなプラグやジグヘッドを組み合わせた、自分なりの軽量スタイルです。 狙う「ボーンフィッシュ」は、その名の通り骨が多く、驚異的な走りで釣り人を魅了する、まさに砂地のスプリンター。

この日のハワイは、微笑みの代わりに猛烈な洗礼を用意していました。 まるで台風が近づいているかのような、身体を押し戻すほどの強風。 透き通っているはずの海面は白波に覆われ、水中を泳ぐ魚の姿を捉える「サイトフィッシング」は、もはや不可能な状況でした。

ブラインドで、ただひたすらに風を切り裂き、ルアーを投げ込む。 指先に伝わるのは、魚の反応ではなく、風に煽られるラインの震えだけ。 何度場所を変え、バスを乗り継いで別のビーチへ向かっても、状況は変わりません。 「自然を相手にするってのは、こういうことだよな。思い通りにいかないからこそ、熱くなるんだ。」 結局、初日の釣果はゼロ。

運河の底に潜む銀閃、ラパラという名の揺るぎない確信

翌朝。風は依然として強いままでしたが、自分はフィールドを海から「運河」へと変えることにしました。 宿泊しているワイキキのホテルからほど近い、ア・ラ・ワイ運河。 ヤシの木が並ぶ遊歩道のすぐ脇で、都会的な景色と野生が隣り合わせている、ハワイならではのポイントです。 ここでのターゲットは、鋭い牙を持つハンター、バラクーダ(オニカマス)。

鞄の中から、あるルアーを取り出しました。 それは、世界中のアングラーが愛してやまない、信頼と実績の「ラパラ(Rapala)」。 最新のテクノロジーを駆使したルアーが次々と現れる現代にあって、このバルサ製のクラシックなルアーが放つ輝きは、自分にとって特別な安心感を与えてくれます。

静かに、運河の壁際へキャスト。 トゥイッチを入れ、小魚が逃げ惑うようなアクションを加える。 その瞬間、水面下で銀色の閃光が走りました。 「食った!」 ドラグが鳴り、ラインが横に走る。シーバスタックルが心地よい弧を描き、魚の鼓動が手元に直接伝わってくる感覚。 慎重に寄せ、抜き上げたのは、鋭い牙と精悍な顔つきをした、まさに「オニカマス」。

手に取ったバラクーダの質感、そしてその鋭利な牙を間近で見つめる。 昨日の強風の中での苦労が、この一匹との出会いによってすべて報われたような、そんな達成感が込み上げてきました。 道具を信じ、自分の感覚を信じ、場所を変え、手法を変える。

そのプロセスは、ビジネスも、執筆も、そして人生も同じなのかもしれない。 「やっぱり、ラパラは裏切らないな。自分も、そうありたいもんだ。」 小さな魚体でしたが、その重みは今の自分にとって、何物にも代えがたい「旅の証」となりました。

黄身が溶け出す至福の刻、効率化の果てに見つけた旅の体温

釣りを終え、空腹を抱えて向かったのは、地元の人々で賑わうカウンター越しのプレートランチ店。 ハワイに来たなら、これを食べずには帰れません。

注文したのは、王道の「ロコモコ」です。 たっぷりの白米の上に、肉厚なハンバーグ、そして濃厚なブラウンのグレービーソースが滝のように流れ、その頂点には完璧な焼き加減の目玉焼き。 脇を固めるのは、ハワイのソウルフードともいえる、ねっとりとしたマカロニサラダでした。

フォークで目玉焼きの黄身を突くと、鮮やかなオレンジ色の雫がグレービーソースと混ざり合い、最高にエモーショナルな光景を作り出す。 一口頬張れば、肉の旨みとソースのコク、そしてマカロニサラダの優しい甘みが口いっぱいに広がる幸せ。  サンフランシスコで食べた効率的なチポトレも良かったけれど、このハワイの圧倒的な多幸感を与えてくれる味は、疲れた身体にじわじわと染み渡っていきました。

食後に街を歩けば、ショップの壁に並ぶ色とりどりのサーフボードが目に飛び込んできます。 パステルカラーのミント、燃えるようなオレンジ、深い海のようなブルー。

通りでは、サーフボードを小脇に抱えた男たちが、談笑しながら海へと向かっている。その自然体な姿は、この島の一部として完璧に調和していました。

夜になれば、プールサイドの静寂を揺らすハワイアンの生演奏。

ハワイの空は、どこまでも高く、青い。

空港へ向かう最後のバスを待ちながら、自分は手にしたメキシカンフーディーをそっと撫でました。 メキシコの情熱、サンフランシスコの知性、そしてハワイの自由。 すべての欠片が、自分というフィルターを通して、また新しい物語へと紡がれていく。

次回は5年前と同じくハーレーをレンタルし、ノースショアへ。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
9年前に始めたBLOGも750記事を超えました。
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この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA

CEO

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