シチリア料理の真髄を味わう 〜チェファルーとパレルモで巡る美食の記憶〜

2025.01.17

2025年も多くの旅をしていきたいと思います。

さて、前回のシチリア編から少し間が空いてしまいました。
旅の醍醐味は、行く先々で新たな発見をすることにあります。

この日は、シチリアの中心地・パレルモから、電車で1時間ほどの美しい海辺の町チェファルー(Cefalù)を訪れました。

地中海と歴史ある街並みが織りなす絶景、そしてその土地ならではの料理との出会いが、心に深く刻まれる一日となりました。

シチリアの電車は穏やかな時間の流れを感じさせてくれます。車窓から見えるのは、広がるオリーブ畑や丘陵地帯、そしてふと現れる地中海の青。目の前に広がる景色はただ美しく、何も考えずにその風景を眺めるだけで旅の価値を感じさせてくれます。

チェファルーに近づくにつれて見える赤茶色の屋根の家々と、青い海のコントラストが次第に心を高揚させていきました。

チェファルーの美しい海と街並み

チェファルーの駅を降りた瞬間、その美しさに圧倒されました。赤瓦の屋根と石造りの家々が密集した街並みは、どこを歩いても絵になる光景です。

町の中心には、12世紀に建てられた「チェファルー大聖堂(Duomo di Cefalù)」がそびえ立ち、その荘厳さが歴史の深さを物語っていました。

しかし、チェファルーの真の魅力はやはりそのビーチです。柔らかな金色の砂浜と透き通るような地中海の青。足を水に浸けると、その透明度の高さに驚かされます。

波は穏やかで、海に入ると心地よい冷たさが体を包み込みます。遠くを眺めれば、ビーチを見守るように立つ大聖堂が目に入り、どこを切り取っても映画のような光景でした。

泳いでいる間、遠くの水平線を眺めながら、日常から解き放たれる感覚を味わうことができました。この地の穏やかな時間の流れが、旅の疲れを癒し、心に新たなエネルギーを与えてくれるようでした。

シチリアの伝統を味わう:「イワシのベッカフィーコ」

チェファルーでのもうひとつの楽しみは、もちろん食です。この日、訪れたレストランで出会った「イワシのベッカフィーコ(Sarde a Beccafico)」は、まさにシチリアの文化を凝縮した一皿でした。

この料理は、イワシを開き、中にパン粉、松の実、干しぶどう、パセリ、オリーブオイルなどを詰めてオーブンで焼き上げたものです。そして、特に印象的だったのが、写真のようにオレンジを使ったソースが添えられている点です。シチリアは柑橘類の一大産地であり、この料理にもその特性が存分に活かされていました。

ひと口食べると、イワシの旨味とパン粉の香ばしさが口いっぱいに広がり、そこにオレンジソースの爽やかな酸味と甘みが加わります。

この「イワシのベッカフィーコ」は、シンプルながらもその奥深い味わいで、シチリアの海の恵みと地元の食文化の豊かさを存分に感じさせてくれました。

チェファルーが教えてくれた旅の記憶

チェファルーで過ごした時間は、地中海の美しさ、歴史的な街並み、そして心に残る食の記憶が重なり合い、かけがえのないものとなりました。この地で味わった「イワシのベッカフィーコ」もまた、シチリアならではの一皿として心に深く刻まれています。

写真は昔井戸として使われていた場所。

帰りの電車で見た夕暮れの地中海は、この旅の締めくくりとして完璧でした。太陽が沈むにつれて、海が赤く染まるその光景は、シチリアという土地の美しさを象徴しているかのようでした。

このチェファルーでの体験は、また新たな旅へのインスピレーションとなりました。

シチリアの豊かな文化と自然は、どこまでも旅人を引き寄せる魅力に満ちています。この地での経験が次の冒険への一歩となり、さらなる発見と感動を求めて旅を続けたいと思います。

チェファルーでの感動的な一日を終え、パレルモに戻った後も、美食の旅は続きました。この日の夕食に選んだのは、イタリアで「トラットリア」と呼ばれる家庭的な食堂です。

結局パレルモ後半の滞在中は、あまりの美味しさに惹かれてほぼ毎日ここに通っていました。

観光地のレストランとは少し違い、地元の人々が日常的に通うトラットリアには、シンプルながらもその土地ならではの味が楽しめる料理が揃っています。温かな雰囲気に包まれたその食堂で、シチリアの豊かな食文化を再び堪能しました。

魚と肉の饗宴:メカジキからウマのステーキまで

この日のメニューには、シチリアの海と大地の恵みを感じさせる料理が並びました。まずは「メカジキのグリル(Pesce Spada alla Griglia)」です。地元で獲れた新鮮なメカジキは、シンプルにグリルされ、オリーブオイルとレモンで仕上げられていました。香ばしい焼き目とジューシーな身の食感が絶妙で、シチリアの海を感じさせる一品でした。

続いて驚きとともに味わったのが、「ウマのステーキ(Bistecca di Cavallo)」と「ウマのカツレツ(Cotoletta di Cavallo)」です。

シチリアではウマの肉を食べる文化があり、ステーキはその柔らかさと濃厚な旨味が印象的でした。一方、カツレツはサクサクの衣が特徴で、噛むたびに口の中で広がる肉の甘さが絶品でした。

 

こうした料理は観光地ではあまり見かけないため、地元の味を知る貴重な体験となりました。

さらに、定番の「ビーフカツレツ(Cotoletta alla Palermitana)」も注文しました。

こちらはパレルモ風のパン粉を使ったカツレツで、パセリやグラナ・パダーノチーズが衣に練り込まれています。香り高く、カリッとした食感とジューシーな牛肉が絶妙にマッチしており、食べる手が止まりませんでした。

トラットリアで家庭的な温かさを感じるひととき

食堂の雰囲気はどこか懐かしさを感じさせるもので、地元の家族連れや友人同士で賑わっていました。笑い声や話し声が響き渡る空間で、豊かな料理を楽しむ時間は、旅の疲れを癒すと同時に、この土地で暮らす人々の温かさを感じさせてくれるものでした。

翌日のディナーはイタリアならではの「ピザのコンビネーション」。いくつかの種類をシェアしながら楽しむスタイルで、それぞれが異なる個性を持つピザがテーブルに並びました。

まずはシンプルでありながら奥深い味わいの「マルゲリータ」。トマトソース、モッツァレラチーズ、バジルという定番の組み合わせですが、焼きたてのピザ生地がもちもちで、香ばしい焼き目がついているのが特徴です。シチリア産のオリーブオイルがかけられ、フレッシュな味わいが引き立っていました。

飲み物には、ベネチアで飲んだセレクト風のカクテルを注文しました。シチリアでは「スプリッツ(Spritz)」と呼ばれる、アペロールやカンパリをベースにしたオレンジ色のカクテルが人気です。

旅の中で出会う食事は、その土地を知る最も直接的な手段のひとつです。

チェファルーからパレルモに戻り、この2日間で味わった料理たちは、旅の記憶の中で特別でした。

次回は、イタリア編最終章、あの有名映画の聖地へ正装して向かいます。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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TAKASHI YAMANAKA

CEO

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