さて本日は前回に引き続きコロンビア第二の都市メデジンです。
その中でもコムナ13というエリアに行ってきました。このエリアの歴史は、光と影の両面を持つ独特のものです。1980年代から1990年代にかけて、メデジンは世界で最も危険な都市の一つとして悪名を馳せていました。
麻薬王パブロ・エスコバルの影響下で、犯罪が蔓延し、市民の生活は困難を極めました。
しかし、都市の再生に向けた取り組みが始まり、現在では驚異的な復興を遂げています。市民と政府が一丸となり、教育やインフラ、治安対策に力を入れた結果、メデジンは「最も革新的な都市」として評価されるまでになりました。
メデジンは、過去の負の遺産を乗り越えるために、多くの市民がボランティア活動やコミュニティプログラムに参加し、社会の改善に寄与しました。例えば、エスコバルの影響が色濃く残る地区では、住民が協力して地域の安全を確保し、犯罪率の低減に成功しました。また、市政府は「メデジン都市イノベーションプログラム」を導入し、都市計画や公共交通システムの改善に努めました。これにより、市内の交通渋滞が解消され、市民の移動がスムーズになりました。
教育分野でも、メデジンは大きな進展を遂げました。
新しい学校や図書館が建設され、若者たちが安全に学べる環境が整いました。特に、「エスコラ・ベラミジョ」(希望の学校)というプロジェクトは、教育の機会を提供するだけでなく、地域社会の絆を強める役割も果たしています。このように、メデジンの再生は、政府と市民が一丸となって取り組んだ結果と言えると思います。
コムナ13 ~かつての危険地帯からアートの聖地へ~
メデジンの中でも特に注目されるのが、コムナ13(Comuna 13)です。かつては最も危険な地域として知られていたこの場所は、今やアートと文化の中心地として生まれ変わりました。地元のアーティストたちによる多彩なストリートアートが街を彩り、観光客や地元の人々に新たな希望を与えています。
コムナ13の再生は、一部の地元アーティストたちによって始められました。彼らは、地域の壁に美しいアートを描くことで、犯罪の多かった地域を明るく彩り始めました。このアートプロジェクトは瞬く間に地域全体に広がり、今では世界中の観光客が訪れる名所となっています。観光客は、ガイド付きツアーに参加してアートを楽しむことができ、地元の歴史や文化についても学ぶことができます。
コムナ13のストリートアートは、単なる絵画ではありません。
それぞれの作品には、地元の歴史や住民の感情が込められています。
例えば、ある壁画には、戦争の犠牲者やその家族の悲しみが描かれており、過去の痛ましい出来事を忘れないようにしています。一方で、希望や再生をテーマにした作品も多く、未来への希望を表現しています。これらのアート作品は、コムナ13の再生を象徴するものであり、訪れる人々に深い感動を与えます。
さらに、コムナ13の再生には、地元の若者たちの力が大きく関わっています。彼らは、ストリートアートだけでなく、音楽やダンス、スポーツなどを通じて地域を活性化しています。特に、ヒップホップやレゲエなどの音楽は、若者たちのエネルギーと創造性を表現する場として重要な役割を果たしています。これらの活動は、若者たちに自己表現の機会を与えると同時に、地域社会の結束を強める役割も果たしています。
街を歩いて感じる再生の力
コムナ13を訪れると、まず目に飛び込んでくるのは色とりどりのグラフィティアートです。
これらのアートは単なる装飾ではなく、コムナ13の歴史や文化、そして未来への希望を象徴しています。例えば、壁一面に描かれた花の絵は、街の再生と繁栄を表現しています。
コムナ13を歩くと、いたるところでアートと文化の息吹を感じることができます。地元のガイドが案内するツアーに参加すると、各作品の背景にある物語やメッセージを詳しく聞くことができ、訪れる人々にとって非常に価値のある体験となります。
また、コムナ13では、アートに加えて地元の文化や風習にも触れることができます。例えば、地元の市場では新鮮な果物や手作りの工芸品が並び、訪れる人々を魅了します。
モノレールとケーブルカー ~都市の交通革命~
メデジンの交通システムは、都市の発展を支える重要な要素です。特に注目すべきは、モノレールとケーブルカーです。これらは都市の高低差を活かし、効率的に人々を運ぶ手段として機能しています。コムナ13の高台からは、市内を一望できる素晴らしい景色が広がります。
さらに、メデジンのモノレールとケーブルカーは、観光客にも大人気です。これらの交通手段を利用すると、市内の美しい景色を楽しみながら、効率的に移動することができます。特に、ケーブルカーから見る景色は圧巻であり、街の全景を一望することができます。
また、メデジンの交通システムには、持続可能な都市づくりの一環として、環境に配慮した取り組みが組み込まれています。例えば、モノレールやケーブルカーは電力で運行されており、排出ガスを抑えることで都市の環境改善に貢献しています。これにより、メデジンはクリーンで住みやすい都市を目指しており、その取り組みが世界中で評価されています。
地元の人々との触れ合い
コムナ13を歩いていると、地元の人々との触れ合いが心温まる瞬間となります。特に、若者たちがフレンドリーに声をかけてくれるのが印象的です。
彼らとの会話を通じて、コムナ13の歴史や文化について多くを学ぶことができました。彼らの親切さと誇り高き精神は、訪れる人々に深い感動を与えます。
また、地元のイベントやフェスティバルに参加することも、素晴らしい体験となります。
コムナ13では、定期的に音楽やダンスのイベントが開催されており、地元の人々と一緒に楽しむことができます。
特に、地元の音楽グループやダンスチームのパフォーマンスは圧巻であり、そのエネルギーと情熱に圧倒されることでしょう。これらのイベントを通じて、訪れる人々は地元の文化に深く触れることができ、素晴らしい思い出を作ることができます。
さらに、地元の人々との交流を深めるためには、少しのスペイン語を学んでおいたので良かったです。簡単な挨拶や感謝の言葉を知っているだけでも、コミュニケーションがスムーズになり、より親しみやすくなります。
パブロ・エスコバルの孫との出会い
今回のメデジンの旅では、特別な出会いがありました。それは、かの有名な麻薬王パブロ・エスコバルの孫との出会いです。彼は過去の負の遺産を背負いながらも、新たな道を模索し、平和と再生を象徴する存在として活動しています。
家族の歴史を通じて学んだ教訓を共有し、社会に貢献しようとしています。
彼は、教育やコミュニティ活動を通じて、次世代に希望と夢を与える努力を続け、自伝を書き、映画にも出演しており、エスコバル家の歴史を公にすることで、人々に真実を伝える活動も行っています。
この出会いは、彼の情熱と信念に触れる貴重な機会となりました。彼は過去の影を乗り越え、未来を切り開こうとしている一人でした。
彼との会話を通じて、エスコバル家の新しい世代がどのように未来を見据えているのか、その一端を垣間見ることができました。
南米ペルーへの移動 ~次なる冒険の始まり~
今回の記事では、メデジンの近代史とコムナ13の発展に焦点を当て、再生と希望の象徴としての街の魅力を紹介しました。特に、パブロ・エスコバルの孫との出会いを通じて、未来への希望と変革の重要性を強く感じました。
さて、次の目的地として南米ペルーに移動します。
ペルーといえば、古代文明の遺産が数多く存在する国です。次回の記事では、ペルーの首都リマを中心に観光し、魅力に迫る旅をお届けします。どうぞお楽しみに!
この記事を書いた人
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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