ロサンゼルス郊外、ウッドランドヒルズという街のショッピングセンターの一角に、その伝説のギターショップ「Norman’s Rare Guitars」は佇んでいます。
ギター好きの方であれば、一度はその名前を耳にされたことがあるのではないでしょうか。自分も例外ではなく、InstagramやYouTubeで何度もこのショップの映像を観ていました。
ミュージシャンたちが訪れては気ままにセッションを始め、ギターの音に包まれるあの空間。そんな夢のような場所に、とうとう足を運ぶ機会に恵まれました。
入り口に描かれたジミ・ヘンドリックスの壁画や、ガラス越しに覗くギターの姿を見ただけで、胸が高鳴ってまいりました。まるでギターの聖地に招かれたような、不思議な感覚に包まれながら店内へ足を踏み入れました。
ノーマンという男が生み出した“価値”の概念
この店を語る上で欠かせないのが、創設者であるノーマン・ハリス氏の存在です。
1970年代の当時、古いギターは単なる中古品として扱われていた時代に、彼はそれらに「価値」を見出しました。ヴィンテージギターという概念がまだ一般的でなかった時代から、その音、材、歴史に価値を見出し、市場を切り拓いていった人物です。
彼の情熱が詰まったこの店には、ボブディランをはじめ、ジョー・ボナマッサ、スラッシュ、トム・ペティ、リッチー・サンボラ、ジャクソン・ブラウンといった著名なミュージシャンたちが足繁く通っていました。
夢のヴィンテージギターが並ぶ空間
店内に並ぶギターの美しさには、ただただ圧倒されました。
1953年製のGibson SJ-200をはじめ、レスポール、フライングV、エクスプローラー、そしてフェンダーのストラトキャスターなど、数十年の時を超えて輝き続ける名機たちが整然と並べられておりました。
どれも桁違いの値札が付いており、それだけで空気が張り詰めるような感覚さえ覚えました。
写真でしか見たことがなかったギターたちが目の前にありました。触れてはいけないような、でも触れてみたいという衝動にかられながら、静かにその空気を味わいました。
偶然その日はセッションの撮影が行われており、なんとインドネシアから訪れていた少年がセッションに参加されていました。
その模様はこちらのYouTubeにアップされています。
彼の演奏には魂が宿っており、年齢を超えた圧巻のギタープレイに感動しました。
ノーマンとの出会いと、日本人リペアマンの技術
驚いたことに、なんとその日、ノーマン氏ご本人も店内に来ていました。
少し緊張しながら声をかけ、記念にツーショットの写真を撮っていただきました。
笑顔で応じてくださったノーマン氏の優しさと、長年培われてきた経験の深さに、心から敬意を抱きました。
また、このショップでは日本人のリペア職人の方もご活躍されていました。
繊細な技術力が必要とされるヴィンテージギターのメンテナンスにおいて、日本の技術が信頼され、海外の最前線で活躍されていることに感銘を受けました。母国の誇りを感じる瞬間でもありました。
ギターが国境を超えて人と人とをつなぐ、その象徴のような空間がここにはありました。
ノーマンズ・レア・ギターズでのひとときは、自分にとってまさに音楽人生の節目となる、大切な1ページになりました。
音楽に対する愛と敬意、そして世代を超えて受け継がれる精神がありました。ギターという楽器を通じて、時代も国境も超える人と人とのつながり。それを肌で感じられたひとときでした。
次回は、カリフォリニア最終章、伝説のドッグタウン、ベニスビーチへ向かい、さらに旅を続けていきます。
音楽の余韻とともに、また新しい景色が待っていそうです。
この記事を書いた人

- 代表取締役
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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