終わりゆく年を追い越して〜一本道がくれた贈りもの〜

2025.04.09

サンフランシスコの旅を締めくくるように、シリコンバレーを後にしました。

アップルとグーグルという世界を牽引する巨人たちの本拠地に足を運び、自分の中の“未来”と“創造”を刺激される体験でした。その熱も冷めやらぬまま、車は南東へと向かい始めます。

次なる目的地は、新年を迎えるネバダ州ラスベガス。

長距離運転に備えて、最初に立ち寄ったのはファストフードチェーン「ウェンディーズ」。

ブリトーとコーヒーの香ばしい香りが、朝のけだるさを振り払ってくれました。

車内に漂う紙袋のにおいと朝陽のぬくもりが、まるで子どもの頃の遠足のように心を弾ませます。小さな朝のひとときが、これから始まる壮大な旅の第一歩になりました。

カップラーメンで迎える「年越しの儀」

昼食は旅の途中で立ち寄った休憩スポットにて。

持参していた「ラ王 × 挑楽」コラボのカップラーメンにお湯を注ぎ、湯気が立ちのぼるまでの数分間を静かに待ちました。

アメリカ自然の中でいただくインスタント麺は、どんなご馳走よりも“特別”に感じられました。

年越しそば代わりのラーメンで20代前半、よく渋谷のこの中華屋に足を運んでいたことを振り返りながら、2024年を静かに見送り、心に残る“年末の儀式”となりました。

どこまでも続く一本道、その先にあるもの

車を進めるごとに、景色は都市の喧騒から無音の世界へと変わっていきます。

目の前に続くのは、限りなくまっすぐに伸びたアスファルトの一本の線。道の両脇には乾いた大地が広がり、何も語らない山々がただ黙って見つめてくるようでした。

この道を走ることでしか出会えない“孤独”と“解放感”。旅人の心を洗うような一本道に、しばし言葉を失いました。

ポツンと現れる退廃の記憶たち

砂漠の真ん中で突然姿を現した古びたトラック。

車体は赤く錆びつき、もう何年も動いていない様子でした。それでも、どこか誇らしげに佇む姿には、かつての働き者の記憶が染みついているようでした。

こうした忘れ去られたものたちに、旅の途中で出会うたび、時間の重みを感じずにはいられません。物言わぬ遺物が語りかけてくる、そんな瞬間でした。

デスバレー——静寂の中に息づく力

やがてたどり着いたデスバレー国立公園。

気温は穏やかでも、その名に反して風景は厳しく、そして美しいものでした。広がる砂丘、切り立つ谷、砂嵐のような静けさ。

標識に「Sand Trap」と記されたエリアでは、風に刻まれた模様が砂に踊っていました。大自然の静かな力強さに、人の小ささを再確認させられる場所でもありました。

オレンジの空が誘う、最後のドライブ

陽が傾くにつれ、空はしだいに茜色から琥珀色へと染まりはじめました。

高速道路を走りながら見るその夕暮れは、まさに「一日が終わる」ということの象徴のようでした。車のライトが点り、旅人たちはそれぞれの目的地へと急ぎます。2024年最後の陽を背に受けながら、自分の内側でなにかがそっと閉じていく、そんな感覚に包まれました。

そしてラスベガスへ—光の始まりを告げる場所

夜の帳が降りる頃、ネバダ州ラスベガスにたどり着きました。煌々と輝く街の灯りが、自分を「おかえり」と迎えてくれているようでした。砂漠を越えた先にあるこの光は、まさに希望の象徴。

喧騒と歓声の中で、明けてゆく2024年がすぐそこに見えてきます。静と動、孤独と熱狂。その両方をこの一日に詰め込んだような、忘れがたい日になりました。

この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA
TAKASHI YAMANAKA代表取締役
1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
9年前に始めたBLOGも750記事を超えました。
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この記事を書いた人

TAKASHI YAMANAKA

CEO

1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
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