講演が終わるやいなや、車を飛ばした。
「こんな機会はもう二度とない」と直感で思った。
高度経済成長以降の日本経済を支えた、あの松下幸之助の側近に居られた上甲晃先生にお会できる機会があった。
経営のことはもちろん、志を持って今日を生きる尊さ、人の話の聞き方など基本的な部分から
上甲晃先生は松下幸之助の意思を受け継いでおられ、ご講演の中でとても印象的だった話が、
人として生まれ、マザー・テレサに会いたいと思えば、インドのコルカタ(当時のカルカッタ)まで行き、彼女を目の前にしたと思えば。
「どうしてそんな乞食のような人を抱きかかえ助けられるのですか」
と上甲先生は聞いた時、彼女は一言「目の前に居るのはイエス様です」と応えた。
つまり隣人を愛せ。という表面的な意味ではなく、自分が一番つらい時期に、自分が一番醜い姿でイエス様は現れる。
これをマザー・テレサはその乞食のような人を「神」である。という捉え、愛を持って接したという。
宗教観という枠を超えて、人としてどうあるべきか。
何が人として正しい行いなのか。とても考えさせたれたと説いてくださった。
上甲先生はこの時に、考え方が180度変わったという。
こんな経験やお話が、数年前の自身が訪れたカンボジアの思い出と重なる。。。
この話を聞いて、道徳心こそ真の経営になるとあらためて再確認できました。
また残心という言葉の意味を奥深くまで教えていただいた。
残心
残心…
井伊直弼は茶湯一会集において、客が退出した途端に大声で話し始めたり、扉をばたばたと閉めたり、急いで中に戻ってさっさと片付け始めたりすべきではないと諭している。
主客は帰っていく客が見えなくなるまで、その客が見えない場合でも、ずっと見送る。その後、主客は一人静かに茶室に戻って茶をたて、今日と同じ出会いは二度と起こらない(一期一会)ことを噛みしめる。この作法が主客の名残惜しさの表現、余情残心であると述べている。
これが残心。
残心をあらためて教えていただき、「名残惜しい」「寂しさ」でさえ我が身の心の栄養分する。日本特有のこの侘び寂びの美学。
あの時代を支えた日本の経営を感じさせていただいた一日でした。
上甲晃先生の名言
地位を極めたい人は
地位を極めた後
ガクッと老いる。財を極めたい人は
お金儲けができたところで
老いていく。しかし
道を究めたいという人は
永遠に老いないんですね。
やはり、地位や財というものは、昇進したり、稼げば景色も変わる。
付き合う人が変わったり、食べるもの、着ているもの、乗っている車。
しかし、変らないものは自分自身です。そこに本当の意味があると捉え、死ぬまで道を求める、そんな求道の人生を歩みたい。と思えた。
さいごに
上甲先生にこんな言葉を頂いた。
今どきの日本男児にしては珍しい。
「あなたは、この運を縁に変えられる人だ」
だってそうじゃないか。みんな講演が終われば、家路を急いだり、はたまた仲間と共に飲みに街へ繰り出す。それは決して悪いことじゃない。
しかし、あなたは今日の私の話を真剣に聞いてくれ、もっと話しがしたい。もっと学びたい。と思ってくれたからこそ、私が泊まっているホテルまで車を走らせてくれた。
誰に頼まれたからでもなく、自らの意思で、自らの行動力で私に会いに来てくれた。
私はそれがたまらなく嬉しいよ。
大丈夫。あなたなら、このコロナ禍の中でもしっかりと明るい道を切り開けます。
本当に滋賀に来た甲斐があったよ。ありがとう。
上甲晃
じょうこう・あきら──昭和16年大阪市生まれ。40年京都大学卒業と同時に、松下電器産業(現・パナソニック)入社。広報、電子レンジ販売などを担当し、56年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年、青年塾を創設。著書に『志のみ持参』『志を教える』『志を継ぐ』(いずれも致知出版社)など。
2年前のバイブル本でもあった松下幸之助「道をひらく」を拝読させていただく機会があったからこそ、コロナ禍真っ只中であっても法人化を目指し、自分の道を拓いてこれました。
足元を見つめ直し、今日からまた精進します。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
7年前に始めたBLOGも600記事を超えました。
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