さて、サンフランシスコ2日目の旅は、「ハッ」と驚かされる。正にミラクルの連続の旅でした。
今回訪れたのは、歴史とヒッピームーブメントの震源地「ヘイト・アシュベリー」。
自身が若い頃に影響を受けたカルチャーが詰まった街。
まるで60年代、70年代のヒッピームーブメントの真っただ中に迷い込んだかのような感覚に包まれました。
ヴィクトリアン調の美しい街並み 歴史が生きる場所
ヘイト・アシュベリーの魅力の一つは、今もなお残るヴィクトリアン調の建築物です。19世紀から続く美しい家々は、サンフランシスコならではの風景を作り出しており、どこを切り取っても絵になる街並みでした。
このエリアの家々はカラフルにペイントされ、細やかな装飾が施されているのが特徴です。かつてヒッピーたちは、このヴィクトリアンハウスの一室に集まり、音楽やアート、哲学について語り合っていたのでしょう。
今もなお、独特の雰囲気を醸し出しており、歩いているだけでその時代の空気が感じられる場所でした。
自由と反骨精神が息づく街
ヘイト・アシュベリーは、サンフランシスコのダウンタウンから少し離れた場所にあるエリアで、1960年代後半のヒッピー文化の中心地として知られています。
当時、世界中の若者たちが「LOVE & PEACE」を掲げ、戦争や社会の抑圧に対するカウンターカルチャーを生み出したのがこの街でした。
特に「サマー・オブ・ラブ」と呼ばれる1967年の夏には、数万人もの若者がこの地に集まり、愛と平和をテーマにした音楽や芸術が花開きました。
街のいたるところには、サイケデリックなペイントが施された建物や、今なお残るヴィンテージショップ、独特な雰囲気を持つカフェが点在し、訪れる人々を60年代の世界へと引き込んでくれます。
音楽と革命の交差点、伝説のアーティストたちが暮らした場所
ヘイト・アシュベリーといえば、ロック史に名を刻んだ伝説のアーティストたちが実際に暮らした地でもあります。
まず訪れたのは、ジャニス・ジョプリンが暮らしていた家です。
彼女は、サイケデリックな時代の象徴とも言える60年代を代表する女性シンガーであり、そのソウルフルな歌声は今も多くの人々の心を打ちます。
しかし、惜しまれつつも薬物の過剰摂取(オーバードーズ)にて27歳を若さで亡くなってしまいました。
そんな彼女がこの家で歌い、仲間たちと夜な夜な夢と理想を語り音楽を紡いでいったかもしれない。
そんな想像を巡らせながら、家の前でなんとも感慨深い気持ちになりました。
正直、この場所にこれたことが、奇跡にのように感じました。10代から聴いていた音楽の断片に触れられたのですから。
そして、、、そのミラクルはジャニスだけに終わることなく…
続いてはグレイトフル・デッドのメンバーが共同生活を送っていた家。
このバンドは、ヒッピー文化と密接に結びつき、自由な精神を音楽に落とし込んだ存在でした。
リーダーのジェリー・ガルシアは今なお、この地域のカルト的な存在であり、70年代のアメリカ音楽を語るうえでは決して外すことのできない存在であり、この年代に起きたフラワームーヴメントを象徴するバンドでもあります。
彼らの家の前に立つと、ここから生まれた音楽がいかに時代を超えて影響を与え続けているかを実感しました。今でもファンが訪れ、写真を撮っている光景が印象的でした。
そして最後に訪れたのは、ジミ・ヘンドリックスが住んだ家。
僕のBLOGを古くから見て頂いてる方には説明不要のギタリストですが、まさかヘンドリックス家にまでたどり着くことができるとは思いも見ませんでした。
本当に今回のSan Franciscoではミラクルの連続でした。
彼もまた27歳で亡くなってしまった一人です。
1970年9月に亡くなったジミ・ヘンドリックスの死因は「窒息死」。
睡眠中にドラッグの過剰摂取による影響で吐いた嘔吐物を詰まらせ、窒息死したというのが定説になっています。
しかし、死亡時のジミ・ヘンドリックスと共に居た女性の証言が明確ではなかったため、信憑性に疑いがあるとも言われているようです。
しかし、後世に残したエレクトリックギターの歴史を変えた彼のサウンドは、ここでの時間から何かしらの影響を受けたのかもしれません。
彼が弾いたであろうギターの音が、今もこの街のどこかに響きながら空に舞っているような気がしました。
彼らの記事は過去幾度とわたることなく紹介していますので、お時間があれば読んでいただけると幸いです。
この街のアイデンティティーラブ・オン・ヘイト
このヘイト通りのランドマークとも言えるのが「ラブ・オン・ヘイト」。
遠くからでも目立つ派手な色彩の建物はもちろん、店内ではヒッピー文化に欠かせない絞り染めで作られたタイダイ柄のアイテムなどを大量に扱っています。
売られている商品はほぼローカルのアーティストによって作られているのも魅力。
店内には、カラフルなTシャツやパーカーがずらりと並び、一枚一枚がまるでアートのようでした。
サイケデリックな店内はこれでもか!と70年代大爆発。笑
タイダイ柄は、60年代のヒッピー文化を象徴するデザインであり、平和や自由の精神を表現したものとも言われています。
独特のグラデーションが生み出す模様は、同じものが二つと存在しないのが魅力です。店員は、この技術やデザインの背景について丁寧に説明してくれました。
味覚でも感じるヘイト・アシュベリー
この街には、ヴィーガンレストランやオーガニックカフェなど、こだわりの詰まった飲食店も多くあります。その中でも特に印象に残ったのが「Absinthe(アブサリム)」というレストランでした。
この店では、トルコや中東の料理をベースにした豊富なメニューが揃っており、どの料理も絶品でした。特にオーダーしたケバブプレートは、スパイスがしっかりと効いていて、ジューシーなラム肉が口の中でとろけるほどでした。
内装もクラシックな雰囲気で、60年代のアートが飾られているのが印象的でした。旅の疲れを癒すような、落ち着いた空間でいただく食事は、より一層特別なものになりました。
色褪せぬヒッピーの風が吹き続ける街
ヘイト・アシュベリーで過ごした時間は、単なる観光ではなく、まるで時代を旅したかのような体験でした。かつてこの街を歩いた若者たちは、音楽を奏で、アートを生み出し、社会に疑問を投げかけました。そして今もなお、そのエネルギーはこの街に息づいています。
この街には、まだまだ知られざるストーリーがたくさん眠っているはずです。
必ずまた戻ってくる。
まるで、魔法にかけられたような気分でヘイト・アシュベリーを後にしました。
次回は悪名名高いアルカポネが投獄された、脱獄不可能と呼ばれた「アルカトラズ島」と周辺の観光スポットを巡ります。
久しぶりに音楽ガッツリネタでしたので、最後にヘンドリックスの曲で最近ハマっているVillanova Junctionをどうぞ。当時69年のWoodstockからです。
Jimi Hendrix
Woodstock / Villanova Junction
この記事を書いた人

- 代表取締役
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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