シチリア旅の締めくくりに訪れた「マッシモ劇場(Teatro Massimo)」は、イタリア最大規模を誇るオペラハウスであり、ヨーロッパでも有数の壮麗さを誇る歴史的建築。
映画『ゴッドファーザー Part III』の重要な舞台としても知られるこの劇場は、芸術と歴史が融合した特別な空間。外観の荘厳さだけでなく、その内装や文化的意義に触れることで、より深くシチリアの魅力を感じることができました。
マッシモ劇場の概要と歴史
パレルモの中心部、ピアッツァ・ヴェルディ(Piazza Verdi)に位置するマッシモ劇場は、1897年に完成しました。その建設は、シチリアがヨーロッパの文化都市としての地位を高めるために計画され、設計はイタリア人建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・バジーレによって手掛けられました。彼の没後は息子エルネスト・バジーレがプロジェクトを引き継ぎ、現在の壮麗な姿へと仕上げています。
建物の正面には、コリント式の柱が並ぶ巨大なポルチコがあり、その重厚感は見る者を圧倒します。また、玄関前に置かれたライオン像は、この劇場が持つ威厳とシンボリックな役割を象徴しています。正面に刻まれたラテン語の銘文「L’arte rinnova i popoli e ne rivela la vita(芸術は人々を再生させ、その命を明らかにする)」は、芸術の力を称える言葉であり、この劇場がシチリア文化の中心地であることを強く示しています。
壮麗な内部とその歴史に触れる
昼間には、劇場内部を見学するツアーに参加しました。入口でチケットを購入し、劇場専属のガイドの方に案内していただきながら、この建物の隅々をじっくりと見学することができました。
劇場の内部に足を踏み入れると、まず目に飛び込むのは黄金に輝く装飾の数々と、シャンデリアのきらめき。その豪華さは息をのむほどで、一歩一歩進むたびに、歴史と芸術の深さに圧倒されました。中央ホールに設けられた馬蹄形の観客席は、約1,300席の収容能力を誇り、赤いビロードの椅子が舞台の壮麗さを引き立てています。
ツアーでは、この劇場が主にオペラやバレエの上演に使われていること、またその音響の素晴らしさについても説明を受けました。音響設計は非常に緻密で、どの席に座っても音が均等に響くよう工夫されているとのことです。特に、舞台上の俳優の声が鮮明に届くように設計されており、イタリアの伝統的なオペラハウスの技術の粋が詰まっています。
また、劇場内の装飾にはアラブ=ノルマン文化の影響も見られ、シチリアがかつて異文化交流の中心地であった歴史を垣間見ることができました。ガイドの方からは、映画『ゴッドファーザー Part III』で使われたボックス席についても説明があり、そのシーンがこの劇場にさらに特別な存在感を与えていることがよくわかりました。
夜の再訪:映画のようなひととき
その日の夜、再びマッシモ劇場を訪れました。昼とは違い、ライトアップされた劇場はまるで舞台そのものが輝いているような壮麗さを放っていました。ライトアップされたポルチコやライオン像は昼間以上に迫力を感じさせ、劇場が持つ雰囲気が一層神秘的に見えました。
この夜は、自分も映画『ゴッドファーザー Part III』の雰囲気に敬意を表して、フォーマルな装いで訪れました。黒いスーツに身を包み、まるで映画のワンシーンに登場するキャラクターになったような気分です。
この劇場が持つ荘厳な雰囲気は、その姿勢すら正したくなるような不思議な力があります。
正面階段の前に立ちながら、まさに映画の名シーンが頭の中で鮮やかに再現される瞬間を味わいました。
当時の模型も映画の中で使われてるワンシーンにも登場しています。
また、夜の劇場周辺には観光客や地元の人々が集い、ライトアップされた劇場を背景に写真を撮る姿も多く見られました。この場所が、パレルモの象徴的な存在として人々を引き寄せていることを実感しました。
シチリア旅の最後に感じた特別な時間
マッシモ劇場で過ごした昼と夜の時間は、シチリア旅の中でも特に特別な体験となりました。その壮麗な建築、映画の舞台としての特別感、そして歴史と芸術が融合した空間。これらすべてが一体となって、この劇場は単なる観光地以上の価値を持っていると感じました。
シチリアの文化と歴史に深く触れることができる場所として、この劇場は旅の締めくくりにふさわしいものでした。
そして、この経験を胸に、シチリアという地が与えてくれた感動と共に、また新たな旅へと向かいたいと思います。
この記事を書いた人

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- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
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