ネオンの街から、潮風の街へ
ネオンの街ラスベガスの光を背に、車は南へ。
向かったのは、カリフォルニア州最南端の町、サンディエゴ。
メキシコとの国境近く、陽光と海の匂いが混じるこの街には、また違った顔のアメリカが待っていました。
到着後すぐに向かったのは、海岸沿いの「サンセット・クリフス」。
「夕日が美しい場所」として知られるこの崖沿いのエリアには、訪れた時間帯こそ夕暮れではなかったものの、すでにその気配はありました。潮の満ち引きに合わせて打ち寄せる波が、断崖を撫でては引いていく。
海の色も空の色も、どこか柔らかく、見ているだけで心が整っていくようでした。
どこまでも水平に伸びた水平線と、切り立つ崖のシルエット。
カリフォルニアのもうひとつの表情が、そこにはありました。
旗が翻る通りで、イタリアを歩く——リトルイタリー
次に向かったのは、リトルイタリー。
その名の通り、ほんのひと角を歩くだけで、まるでイタリアのどこかの都市を旅しているような気分にさせてくれるエリアです。
赤・白・緑のイタリア国旗が、風に揺れながら連なるように飾られていて、歩道沿いの石畳風の通りやカフェのテラスが、どこか陽気で開放的な空気を漂わせていました。
入ったのは、小さなイタリアンレストラン。
かつて訪れたフィレンツェのラザニアの味が忘れられず、迷わずオーダー。
正直、本場のそれには少し及ばない。でもそれでも、旅先で味わう“記憶を追う食事”というのは、また別の味わいがあるものです。
建物もどこかクラシカルで、街並みの景観そのものが「デザインされた映画のセット」のよう。サンディエゴの陽射しの下で、イタリアがほんの少しだけ混ざった午後を楽しみました。
海軍の歴史に触れる場所——USSミッドウェイ博物館
次に訪れたのは、USS Midway Museum(ミッドウェイ博物館)。
この空母は、第二次世界大戦の名に残る「ミッドウェイ海戦」にも関係する名を冠しており、今は退役後にサンディエゴの海沿いに博物館として保存・公開されています。
デッキの上には戦闘機やヘリコプターが並び、かつてのアメリカ海軍の圧倒的なスケールを目の当たりにすることができます。
艦内は当時の司令室や食堂、寝室などが再現されており、まるでタイムスリップするような感覚に。特に、艦橋から見下ろすサンディエゴの海は、平和のありがたみをじんわりと感じさせてくれました。
ここはただの観光施設ではなく、歴史そのものが息づいている空間でした。
ターコイズの静けさと、ネイティブの美意識
街を歩いていると、ふと目に止まったのがネイティブアメリカンのジュエリーショップ。
中に入ると、ホピ族や他の部族による手作りのジュエリーがずらりと並んでいました。
なかでも目を惹いたのは、貴重なターコイズを使ったアイテムたち。石の色、模様、輝き、それらを囲むシルバーの細工。すべてに「意味」が宿っているようでした。
店主の方が、いくつかの背景や作り手の話も丁寧に語ってくれて、ただのアクセサリーではない、“祈り”をまとった作品であることがひしひしと伝わってきました。
いつか、これらのジュエリーが生まれる土地、アリゾナやニューメキシコ、セドナにも訪れてみたい。そう思わせてくれる出会いでした。
サンディエゴのヴィンテージギター
お次に訪れたのが、Guitar Exchange(ギター・エクスチェンジ)。
サンディエゴの郊外にひっそりと佇むこのギターショップは、店内に一歩足を踏み入れると、木の香りと時を経た弦の空気が漂っていました。
ヴィンテージギターたちが壁にかけられていて、中でも目を奪われたのが、ジミ・ヘンドリックスが愛用したモデル、Gibson Flying V。
どこか手に取れない存在のように思っていた“あの音”が、そこには静かに置かれていました。
オーナーは気さくで、いくつかのギターを試奏させてくれました。
サンディエゴという街は、どこか静かで、どこか深い。
夕日を待つ崖、イタリアの記憶、歴史の重み、そして音。
一つひとつが異なる文化や時間軸から届いたピースのようで、組み合わせることで新しい風景が見えてくる。そんな街でした。
次回はレンタカーで、メキシコへ入国編。お楽しみに。
この記事を書いた人

- 代表取締役
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
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