青年会議所の信条“JC Creed”は、ただのスローガンではありません。それは活動の背骨であり、立ち戻るべき原点でもあります。
言葉を掲げるだけなら、きっと誰にでもできる。でも、それを100年近くも“実行”し続けることがどれほど大変か。その重みが、まさにこの空間には詰まっていたのです。
JCI本部の一室、壁に掲げられたこの言葉を、何度も見つめました。タペストリーに織り込まれた金の文字は、まるで雪の光を受けたように静かに輝いていました。
かつて、ギッセンバイヤー・ジュニアという一人の青年が「世界はもっと良くなるはずだ」と信じ、行動に移した。
その意思がやがて世界中の青年たちを動かし、JCIという国際的ネットワークへと形を変えていった。その出発点が、今自分の立っているこの場所なのだと思うと、背筋が自然と伸びました。
他国の理事たちも、立ち止まり、その言葉を静かに見上げていました。誰もが、同じように感じていたのかもしれません。
雪に包まれた街で、仲間と笑い合う夜
数日が経ち、日本のメンバーたちが続々とセントルイスに集まってきました。
空港やホテルのロビー、あるいは朝食のブッフェ会場で、懐かしい顔とばったり再会するたびに、自然と笑顔がこぼれました。
「あの時、パラグアイでさ…」
「いや、カンボジアでの夜は忘れられないですよね」
思い出話が尽きることはなく、それぞれが背負ってきた時間を分かち合える場となりました。
2024年、一緒に汗を流し、議論を重ねてきた仲間たち。そんな彼らが、また2025年の活動のために再集結しているという事実だけで、胸がいっぱいになります。
夜にはみんなで地元のステーキハウスに繰り出しました。分厚く焼き上げられた骨付きリブアイが、テーブルの中央に堂々と鎮座していました。アメリカらしい豪快な肉の塊。それを前に「誰が一番食べられるか」なんて、少年のようにふざけあう時間。
外は氷点下の世界ですが、テーブルを囲む会話とぬくもりが、心の芯をぽかぽかと温めてくれました。
理事会の裏側で動く“静かな情熱”
一方で、理事会の裏側では、静かに、そして着実に議事が進行していました。議長を務める下山田会頭の隣で、自分はセクレタリーチームとしてサポートをさせていただいていました。
タイムキープ、議事録、提出資料の再確認目立つことはない仕事ですが、その一つひとつがチーム全体の流れを円滑にし、会議を支える大切な役割です。
各国の理事たちが、自国の課題を挙げながらも、JCIという一つの理念のもとで意見を交わす様子は、とても印象的でした。
文化も背景も違うのに、皆が同じ目線で未来を見つめ、前を向こうとしている。ここには“肩書き”や“国籍”よりも“志”が優先されているのだと、改めて感じました。
セントルイスの朝、そして旅の余韻
最終日、ホテルの窓から見下ろした街は、一面がまだ銀世界のままでした。けれども、空だけは晴れ渡り、眩しい朝日が地面の雪をゆっくりと溶かしていく様子がとても美しく映りました。
セントルイスという街には、不思議な魅力があると思います。歴史の中で生まれた理念や、世界とつながる力、そして寒さの中に見える人の温もり。それらが混ざり合い、この場所にしかない独特の空気をつくっていました。
チェックアウトを終え、スーツケースを転がしながらロビーを歩くと、あちらこちらで「また会おう」「今度はモンゴルで」と握手を交わす姿がありました。言葉が通じなくても、想いは通じる。そんな確信を、ここでは何度も目にした気がします。
別れ際、みんなで写真を撮りました。真っ白な街並みを背景に、コートの襟を立てながらも笑顔を浮かべたその写真は、今でもスマホの中であたたかく微笑んでくれています。
さてこの記事を持って一ヶ月に及ぶアメリカの旅は終わりです。
振り返ると、ラスベガスを去る際には、数時間前に歩いていたトランプホテルの前でテロが起こり「何が起こるかわからない」アメリカの一面を見せつけられました。
ロサンゼルスを経ってセントルイスに移動した際には、なんと最大規模の山火事が発生。数日前に訪れていた高級住宅街「マリブ」も焼け野原になってしまいました。
美しい景色が広がる場所だけに本当に残念で仕方ありません。
しかし、きっとアメリカの底力でまた再建してくれることを祈っています。
今年の5月から後数日後から、またアメリカの旅へ出ます。ロスの状態がどこまで復活したのか、またレポートしたいと考えています。
そして、それまでに経済のこと、仕事のことなどできるだけ書いておこうと考えています。
この記事を書いた人

- 代表取締役
- 1985.11.09 滋賀⇄東京⇄滋賀
最近気になるのはChatGPT OpenAi関連… 生成Aiにはどう頑張っても勝てないのでもう考えることを辞めましたw
▪趣味:旅行 ギター 読書 キャンプ 釣りとか…
9年前に始めたBLOGも750記事を超えました。
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